長野 ガッツ魂継承!尊敬する先輩の引退試合で気迫のV打

[ 2015年9月22日 05:30 ]

<中・巨>4回2死三塁、左適時二塁打を放つ巨人・長野

セ・リーグ 巨人4-0中日

(9月21日 ナゴヤD)
 プロ入りから背中を追ってきた大先輩の右足を持ち上げた。巨人ナインも加わり、今季限りで現役を引退する中日・小笠原の胴上げ。終了後、長野は、感謝の思いを込めて深々と頭を下げた。

 「小笠原さんには自宅に呼んでもらって奥さんの手料理を食べさせてもらったこともあります。きょうも、あいさつさせていただきました」

 尊敬する先輩の引退試合。とはいえ、チームにとっては負けられない試合。勝負強さを見せたのは0―0の4回2死三塁だ。山井が投じた内角直球に対して体をこまのように鋭く回転させた。先制の左越え二塁打。チームの連敗を2で止める決勝打は、一塁を守っていた小笠原に対する「恩返し」でもあった。

 09年のドラフト1位で巨人に入団。当時、小笠原は不動の3番だった。オープン戦で結果を残し開幕1軍も、前半戦は好不調の波が大きかった。節目でアドバイスをもらい、持ち前の積極性を失いつつあった時は、フリー打撃で実戦を想定して多少のボール球でも打ちにいく小笠原の練習法を取り入れた。その年の休日に坂本、山口と千葉県内の小笠原宅に招かれ、この日スタンド観戦した美代子夫人の手料理を振る舞われたこともある。公私ともに世話になった夫妻の前で、気の抜けたプレーはできなかった。

 チームは正念場の7連戦を2勝2敗とし、首位ヤクルトとの2ゲーム差を守った。広島から帰京した16日に「“さあ、見てみろ”というか、そういうもの(気持ち)が薄らいでいる」と長野に打席での気迫を求めていた原監督は「いいところで打ってくれた」と笑顔。22日からの優勝争い生き残りを懸けた2位・阪神との2連戦に向け「いい流れになった?」と問われ「そう思います」と表情を引き締めた。

 小笠原とともに戦った10年はリーグ4連覇ならず、3位だった。今年も4連覇に挑んでいる。「きのうは負けていたので、勝ててよかったです」。長野の目は、リーグの頂点しか見えていない。(山田 忠範)

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