秋山が200安打達成できた理由 フォーム改造でNPB記録更新も視野

[ 2015年9月17日 11:15 ]

シーズン200安打を達成した秋山

 9月に入りペナントレースも大詰めを迎え、タイトル争いも熾烈を増している。そんな中、セパともに大記録達成への期待が高まっている。セ・リーグではヤクルトの山田哲人が「3割、30本、30盗塁」をほぼ確実とし、日本球界初の「40本、40盗塁」、さらには三冠王+盗塁王の可能性もまだ残っている。

 一方、パ・リーグでは西武・秋山翔吾から目が離せない。9月6日のロッテ戦では2002年に松井稼頭央(現楽天)が記録した球団記録の1シーズン193安打を塗り替え、196安打に到達。このままのペースで打ち続ければ、2010年にマートン(阪神)が記録した214安打のNPBシーズン最多安打を塗り替える可能性が非常に高い。そんな秋山の主な活躍を振り返ってみたい。

◎打撃フォーム改造を機に安打量産へ

 今季の秋山の大きな変化は、昨年まではバットを立てて構えていたのに対し、バットを寝かして構えている点だ。フォーム改造に着手した秋山はオープン戦トップの打率.459をマークし、非常にいい状態で開幕を迎える。3月27日、オリックスとの開幕戦で2安打を放つと、そこから6試合連続安打と上々の滑り出しを果たす。圧巻だったのは4月14日から16日の楽天3連戦。秋山は3試合連続猛打賞と打棒が冴え、一気に打率を上げていく。さらにその3連戦前後では6試合連続複数安打と打ち出の小槌のように、スイングすれば安打が記録されていくかのように打ち続けた。結局、3・4月で打率.374、40安打の結果を残し、自身初の月間MVPを受賞した。

◎連続試合安打記録への挑戦

 順調に安打を重ねていく秋山に、新たなる記録への挑戦が待っていた。6月3日、中日戦の第1打席で左前安打を放つと、毎試合安打を重ねていく。ヒットが止まらなかった6月も月間打率.448というハイアベレージを残し2度目の月間MVPを受賞。さらに7月3日のロッテ戦では連続試合安打を24とし球団記録を樹立する。

 さらに連続試合安打記録を伸ばしていき、迎えた7月8日のオリックス戦。8回まで4打席ノーヒットと記録ストップのプレッシャーが感じられる中、運よく9回に再び打席が回ってきた。そこで秋山は平野佳寿が投じた初球の外角高めをはじき返すと、レフトスタンドへ飛び込むホームラン! 首の皮一枚つながり、28試合連続安打に伸ばした。7月11、12日の日本ハム戦で2試合連続猛打賞をマークし31試合連続安打に。長池徳二(当時阪急)の持つパ・リーグ記録の32試合連続安打、高橋慶彦(当時広島)の持つ日本記録の33試合連続安打がいよいよ見えてきた。

 そして迎えた7月14日、西武プリンスドームでの楽天戦。秋山は第1打席から三振、右飛、遊飛と凡退し、1点リードで迎えた7回の場面でも左飛に倒れ「もはやここまでか……」という重い空気が球場内に漂う。しかし、9回に楽天が同点に追いつき、試合は延長戦に突入。すると延長10回、秋山に打席が回ってくる。

 安打に期待が集まる場面だったが、秋山は外角のボールを見極めて、四球を選んだ。その後、中村剛也のサヨナラ本塁打で西武が勝利。この瞬間、秋山の連続試合安打記録は31でストップする。試合はお立ち台に立った秋山は「連敗中で自分勝手なバッティングをすると流れが悪くなる。後ろで打ってくれる人もいるので我慢しました」とコメント。その献身的な秋山の姿勢に、西武ファンは感動した。

◎サイクルヒットにあと一歩

 秋山にとって「惜しい」記録となったのが、6月26日の日本ハム戦だった。秋山はこの試合、初回に三塁打、3回には左中間へソロホームランを叩き込む。4回は一塁ゴロに倒れるが、6回には先頭打者で二塁打を放って4打数3安打。サイクルヒットに王手、しかも一番容易そうな単打を残すのみとなった。打者一巡して回ってきた第5打席は一塁ゴロに打ち取られる。そして、異様な盛り上がりの中、第6打席を迎えたが、二塁ゴロに終わり、サイクルヒットの達成はお預けとなった。それでも、この日の猛打賞で月間8度目となり、イチローらに並ぶ10人目のプロ野球記録となった。

 秋山とサイクルヒットにまつわる物語はそれだけで終わらなかった。9月12日、先頭打者本塁打で派手に幕を開けると、第2打席で単打、第4打席で三塁打を記録し、サイクルヒット達成まで二塁打を残すのみとなった。しかも、この三塁打がシーズン199本目の安打でもあり、同時にシーズン200安打にも王手をかけることになったのだ。続く第5打席は抜ければ二塁打か? という当たりの遊撃手へのライナー。延長10回裏に迎えた第6打席は2死一、二塁という状況で、一打サヨナラのチャンス。ここで二塁打を打てば、シーズン200安打、サイクルヒット、サヨナラ打と記録尽くめの一打になるかもしれなかったものの、空振り三振となり、サイクルヒット達成はまたしても“空振り”となってしまった。

 その翌日に秋山は無事にシーズン200安打を達成した。131試合での達成は、当時オリックスのイチローに次ぐ史上2位のスピード記録。続いて期待されるのは、冒頭で紹介したようにNPBシーズン最多安打記録の更新だ。新記録達成なるか、それとも寸前のところで“空振り”となってしまうか……。最終戦まで目が離せない。(『週刊野球太郎』編集部)

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