雄星と大谷 恩師の言葉通りに「“みたいになりたい”」ではダメ

[ 2015年9月14日 11:34 ]

日本ハムの大谷

 「プロの世界で、左のナンバー1と右のナンバー1になれ」。

 花巻東(岩手)の佐々木洋監督は、教え子である西武・菊池雄星、日本ハム・大谷翔平に、この言葉をかけ続けてきた。やるからには一番を目指せという教えに、2人が見事に応えている。

 菊池が9月13日のロッテ戦で、1軍の左腕史上最速の157キロをマークした。大谷も同じく9月3日のロッテ戦、メジャースカウトのスピードガンで自己記録を1キロ上回る163キロを計測。プロ野球界の左と右のナンバー1の球速を、この2人がマークしたことに、指揮官も喜んでいることだろう。

 菊池は高校1年夏に甲子園で140キロを超えるボールを投げて、注目を集めた。3年夏には155キロ。お小遣いは無駄遣いせず、ウエートトレーニングの合間に補給するチーズ代など体作りに投資した。高校で約20キロの体重増を果たし、プロの世界に飛び込んだ。

 甲子園で準優勝した菊池の卒業後に「雄星さんみたいになりたい」と、目を輝かせて入学してきたのが、大谷だった。だが、佐々木監督はそこで大谷にダメ出しをした。「“雄星みたいになりたい”では、雄星の少し下にしかなれない。超えるつもりでやれと」。2人で立てた目標は「160キロクリア」だった。

 大谷はウエート室に「163キロ」と書いた紙を貼り付け、最後の夏に160キロを出した。そして、プロで本当に163キロを出した。

 球速では、ナンバー1になった両投手。次なる目標設定は…。夢は大きく、メジャーリーグナンバー1投手になるのだろうか。
 

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2015年9月14日のニュース