西武・秋山 驚異いまだ219安打ペース 日本新「215」へ通過点

[ 2015年9月14日 05:30 ]

<西・ロ>5回2死二塁、秋山が安打を放ち、シーズン200安打を達成

パ・リーグ 西武4-5ロッテ

(9月13日 西武D)
 西武の秋山翔吾外野手(27)が13日、ロッテ戦で5回に三塁内野安打を記録し、史上6人目(7度目)のシーズン200安打に到達した。131試合目での達成は1994年のオリックス・イチローに次ぐ歴代2番目のスピード記録となった。7回にも201安打目となる右前打をマーク。残り12試合で10年に阪神・マートンが記録した214安打のプロ野球記録更新に挑む。

 最後は右手一本で食らいついた。同点の5回2死二塁、2打席凡退で迎えた第3打席。秋山は2ボール2ストライクと追い込まれてから、涌井が外角低めに投じたシュートに腕を伸ばした。打球は三塁手のグラブに当たって方向が変わり、左前へ転がった。安打か失策か――。しばらく間を置いて「H」のランプがともり、シーズン200安打を達成。その瞬間、3万2730人で埋まった西武プリンスドームが沸き上がった。

 「ホッとしました。打った瞬間はヒットかどうか分からなかったので必死に一塁まで走った。ここまで積み重ねてこられたのはうれしい」。5回の攻撃終了時にはファンから異例のスタンディングオベーションで称賛を贈られた。

 今季を象徴する一打だった。昨季は2軍落ちも経験し、打率・259でシーズンを終えた。完璧を求めるあまり不調から抜け出せない期間が長かった。ボテボテの当たりで安打をもぎ取っても納得できず、会心の当たりでアウトになると「もったいなかった」と引きずった。今季はその考えを180度変えた。「どんな形でも、ヒットはヒット。良い当たりだけがヒットじゃない」と、「1日1本」を目指して食らいつくようになった。

 今季131試合で無安打だったのはわずか21試合。オープン戦打率・459、交流戦・432は共に首位打者と好調を維持している。7回にも右前適時打を放ち、今季62度目のマルチ安打。02年松井稼(現楽天)の球団記録に並んだ。すぐさま201安打目を放ち「次の1本が出てホッとしました。区切りで止まってしまうことがよくあるので」と喜んだ。

 重圧が27歳を成長させた。歴代3位タイの31試合連続安打が止まった7月14日楽天戦(西武プリンス)の試合前、練習から10台以上のテレビカメラに囲まれ「メンタル的にやられていた」と振り返る。待ち構える報道陣を振り切り、試合後「あんな態度を取ってすみません。自分の弱さです」と謝罪した。それから2カ月。この日は報道陣の前に立ち、約5分間も丁寧に受け答えして試合に臨んだ。場数を踏み、余裕も生まれた。

 イチローら5人しか知らない領域に足を踏み入れたが「その方々に並べた実感はない」と謙遜した。プロ野球記録の214安打まで残り12試合で13本。現在219安打ペースの秋山は「日本記録まではまだ少しあるのでメディアの方々、少し優しくしてください」と笑った。まだここはゴールではない。 (神田 佑)

 ≪10年以来6人目≫秋山(西)が5回に内野安打を放ち、プロ野球6人目(7度目)のシーズン200安打を達成した。チーム131試合目での到達は94年イチロー(オ)の122試合目に次ぎ、10年マートン(神)の134試合目を抜く歴代2位のスピード記録だ。7回にも右安打し今季1試合2安打以上は62度目。マルチ安打のシーズン最多は94年イチローの69度だが、チームでは02年松井稼と並ぶタイ記録になった。秋山の現在のペースだと最終219安打。マートンの最多記録214安打を更新する計算だがどうか。

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