悪天候続いたU18W杯 出場国を感心させた補助員の奮闘

[ 2015年9月7日 10:00 ]

<日本・米国>試合実施に向けてグラウンドを覆っていたシートを外す球場スタッフ

U―18W杯決勝 米国2―1日本

(9月6日 甲子園)
 決勝戦も雨の影響で試合開始が遅れるなど、悪天候に泣かされた今大会。米国の優勝で幕を閉じた。

 そんな中、試合催行のために奔走したスタッフたちがいた。

 薄いピンクのそろいのTシャツを身にまとってボールボーイ、チケット販売、甲子園以外の球場(舞洲ベースボールスタジアム、南港中央、豊中ローズ)でグラウンド整備などをしていたのは、近大野球部と関学大野球部の部員総勢約40人だ。公募や指名で集まったという。

 中には春夏の甲子園に出場してプレーした部員も多くおり、後輩が今回の日本代表に選出されている部員もいた。

 甲子園以外の球場を使用した1次ラウンドでは日本代表の試合も雨で試合が2時間以上遅れるなど、天候に悩まされる中、球場補助員たちはスポンジで水たまりをぬぐう「水抜き」を黙々とこなし、試合ができる状態にまで仕上げた。華々しくプレーする後輩たちの影で、泥まみれの裏方仕事。ボールボーイの業務でも、海外のチームはヘルメットをベンチに投げ込んだりする選手も多く見られ、それを定位置にそっと戻している姿が印象的だった。しかも、球場補助をしている間は当然練習もできず、長引く試合の影響で1日15時間以上球場にいることもあった。
 
 それでも「きつくないです。日の丸を背負った後輩たちが活躍してくれれば、それがうれしいので」と嫌な顔一つ見せずに大会を支えた。

 日本代表も口々に「グラウンドを試合ができる状態にしてくださった皆さんのおかげ」
と感謝。他国の監督やコーチも彼らを見かけるとねぎらいの言葉をかけていた。

 夏の余韻を残しながら閉幕した日本開催のワールドカップ。惜しくも敗れた日本代表の姿はもちろんのこと、補助員たちの献身ぶりも忘れてはならない。

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