日本の悲願阻んだ米国 指揮官の読みが的中した投手起用

[ 2015年9月7日 09:10 ]

<日本・米国>5回1死一塁、一塁走者・オコエはけん制で誘い出されタッチアウト

U―18W杯決勝 米国2―1日本

(9月6日 甲子園)
 日本を2―1で破って優勝した米国チームは、選手とスタッフがマウンドに集まり、喜びを爆発させた。なんといっても、先発左腕のプラットの好投が光った。7回途中でマウンドを降りるまで1失点。しかもあえてDHを使わずに、プラットを5番打者にも入れた。打者としては無安打に終わったが、ベンチの信頼が伺えた。

 1次ラウンドの日本戦では投げなかったプラット起用が、スバリ的中した。

 この“秘策”について、指揮官は「数日前から考えていた」と打ち明けた。「(8月31日の)オーストラリア戦で彼が好投したときから、日本戦に投げさせることは頭にありました」
 
 1次ラウンドでは日本に0―3で完封負け。指揮官はこのときに、日本の走塁技術の高さに驚き、その対策を練っていた、と振り返る。同監督によると「プラットを選んだ理由のひとつが、けん制のうまさ。きょうも、ひとつアウトにしてくれた」と満足げに話した。

 5回に中前打で出塁したオコエが、けん制によってアウトになった場面だ。日本ではボークを取られてもおかしくない微妙な動作だったが、国際大会では判定基準が違うことは、しばしばある。このシーンにはスタンドからも、ため息がこぼれていた。

 確かに、勝俣、清宮、平沢と主軸に左打者が揃う日本の打線には、左投手のチェンジアップは有効。日本打線はまったくタイミングがあわなかった。プラットも「チェンジアップは、いつも自信をもっている」と豪語した。

 その上、けん制がうまいとなれば、これほどの適任者はいない。日本側にプラットのデータが少ない、という読みもあったのかもしれない。

 米国の見事な投手起用により好調の打線が封じられ、惜敗した日本。悲願の初優勝を2年後のカナダに、持ち越すことになった。

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