悔し準V…清宮 2年後リベンジ「何も貢献できず足を引っ張った」

[ 2015年9月7日 05:30 ]

<日本・米国>9回、遊飛に倒れる清宮

U―18W杯決勝 日本1―2米国

(9月6日 甲子園)
 また1点差で世界一ならず――。日本は決勝で米国に1―2で敗れ、初優勝はならなかった。4番の清宮幸太郎内野手(1年=早実)は1点差とした6回2死一、二塁から二塁内野安打で満塁機を築いたが、逆転劇は訪れなかった。2―3で敗れた13年の前回大会決勝に続き、またも米国に1点差で惜敗。米国は3連覇を達成した。1年生の清宮は、2年後の2017年にカナダで開催される次回大会で初優勝を目指すことになる。

 胸の銀メダルがむなしかった。米国ナインが喜びを爆発させる姿を見届けた清宮は目を真っ赤にして、うつむいた。

 「悔しいの一言しかない。何も貢献できなかった。世界一を目指すチームの中で、足を引っ張ってしまった」

 同じ16歳の左腕プラットに苦しめられた。2回の第1打席は見逃し三振。4回の第2打席は2死二塁の好機で空振り三振を喫した。意地を見せたのは0―2の6回。津田の右前適時打で1点を返し、なお2死一、二塁で「真っすぐ一本で待っていた」と直球を打った。当たりはボテボテ。それでも全力疾走し、二塁内野安打で満塁機を築いた。だが平沢が一ゴロに倒れ、逆転劇は訪れなかった。清宮は安打にも「難しいコースでもなくて、ミスショットする球でもない。この大会を象徴するような打席になってしまった」と振り返った。

 「ここぞで一本出なくて、軸として足を引っ張ってしまった。4番の責任を重く感じた」。決勝も含め、今大会9試合中8試合で4番起用。打ちたい思いが焦りにつながり、体が前に突っ込んでバランスが崩れた。体も満身創痍(そうい)。大会中に左膝の違和感を訴えただけではなく、今夏の甲子園で痛めた左手親指は、決勝までテーピングを施したままだった。27打数6安打、打率・222、2打点。「ケガもしてしまったし。申し訳ない思いでいっぱいです」と肩を落とした。

 決勝の重圧からか、チーム全体もミスが続出した。3回に先制されたのは先発・佐藤の悪送球。6回1死二、三塁では捕手が後逸した際、三塁走者・篠原が本塁に突入して憤死。いずれも焦る必要はなかった。2年前と同じ1点差の惜敗。指揮を執った前回に続き、米国に再び苦杯をなめた西谷浩一監督は「米国はやはり厚い壁だった。何とか世界一を獲りたかったが残念」と唇をかんだ。

 17年の次回大会。唯一1年生で出場した清宮は3年生になっている。「先輩たちからは“あと2年もあるんだから”と声を掛けられた。こんな思いはもうしたくない。世界一しかない」。悲願の世界一と米国へのリベンジは4番に託された。 (松井 いつき)

 ▼U―18W杯 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する。1981年に始まり日本初開催となった今大会で27回目。かつてはAAA世界選手権などと呼ばれた。優勝回数は11度のキューバがトップ。日本は夏の甲子園大会と日程が重なっていたが、2004年に初めて高校日本代表として臨み準優勝。12年は6位、一昨年は準優勝。

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