トリプルスリーの“アニキ”金本氏が語る ヤク山田の3つの凄さ

[ 2015年9月7日 07:50 ]

右手が最後の最後まで返らないことが山田の今季本塁打量産につながっている

セ・リーグ ヤクルト6-0広島

(9月6日 神宮)
 広島時代の00年に史上7人目のトリプルスリーを達成した、元阪神の金本知憲氏(本紙評論家)は「3割30本塁打を記録した選手はたくさんいるし、3割30盗塁を記録した選手もいる。3割30本30盗塁を全て記録するのが難しい。山田選手は同時に3冠王を狙えることが凄い」と口にした。

 金本氏は00年10月11日ヤクルト戦(神宮)で30号を放った。「シーズン最終戦だった。当時は135試合制で、引き分け再試合となった136試合目で記録したのでギリギリだった。トリプルスリーは“おまけ”みたいなもの」と振り返る。

 節目の数字に124試合目で達した山田。金本氏は「3割30本30盗塁を記録するのだから無条件でいい打者といえるが、それ以上に凄いと感じることがある」と、その打撃フォームに注目した。一つがリストの使い方。「打球が描くラインに対して、右打者の後ろの手である右手が返らない。そして最後の最後に返っていく。これは飛距離の出る打ち方」。自身も476本塁打をマークしている同氏は、「これ(手首の使い方)は、あまり知らない選手も多い。とにかく素晴らしい」と絶賛の言葉を並べた。

 続けて「大きく足を上げるタイプの選手は軸がぶれやすいが、山田選手はステップした際、バットを振っていく際にも軸がぶれていない」と指摘。「顔の位置も動かないのでボールを体の中に引き込むことができ、変化球にも対応できる」と高い技術を称賛した。

 金本氏は達成時32歳。山田は23歳で「年齢的にも、まだ若い。僕も目指したが無理だった、前人未到の2度目の達成を目指してもらいたい。さらに、スピードの落ちない筋肉量を付けて“器”の大きい選手になれば、2度、3度と狙える可能性がある」と期待を寄せた。

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