西武・高橋光 松坂以来の高卒新人5連勝!マー君、藤浪抜いた

[ 2015年9月7日 05:30 ]

<ロ・西>ペコちゃんのように舌を出し投球する高橋光

パ・リーグ 西武9-3ロッテ(9回裏無死降雨コールド)

(9月6日 QVC)
 右手でグラブを叩き、吠えた。最大のピンチを切り抜けた西武のドラフト1位・高橋光が、感情をあらわにする。

 「もう1点もやりたくなかったので、0に抑えることを意識した」

 6―2の5回、暴投と四球が絡み2死満塁。一発同点のある4番・デスパイネを迎えた。2球連続で直球を使ったが、2球目はこの日最速タイの144キロ。初の中5日登板の影響か、自己最速より10キロも遅い。「ストレートが走ってなかったので苦しかった」と、そこから3球連続フォークで勝負に出た。熱中症になりながら完投した前橋育英2年時の13年夏の甲子園決勝で、最後の打者を空振り三振に斬った最大の武器。プロの世界でも「一級品」と評される球種で左飛に仕留めた。

 5回を2点に抑え、自身5連勝。制球に苦しんだ初回の後は、追加点を許さなかった。高卒新人の5連勝は99年の西武・松坂(現ソフトバンク)以来16年ぶり。4連勝で止まった07年の楽天・田中(現ヤンキース)や13年の阪神・藤浪を超えた。8月に完封、月間4勝など次々と「松坂以来」の西武新人記録に追いついてきた右腕が、今度は球界レベルに枠を広げて平成の怪物に並んだ。

 高みを目指すきっかけになったのが、この日決勝が行われたU―18ワールドカップだ。13年の同大会に出場。予選2次ラウンドの米国戦で1イニング登板し、2者連続本塁打で4失点と打ちのめされた。1学年上の松井裕(現楽天)らから「バッピ(バッティングピッチャー)」とあだ名を付けられるほど歯が立たず「力不足。通用しなかった」と痛感。その2年後、成長した18歳が、負ければ自力CS進出の可能性が消えるチームを救った。

 06年以来のQVCマリン3連勝でロッテとのゲーム差を2に広げ、最大6あった借金を7月29日以来の完済に導いた立役者は、日程に余裕ができるため一度登録を抹消される。「一試合一試合頑張っていきたい」。その目はすでに先を見ている。 (神田 佑)

 ▼西武・鈴木葉留彦球団本部長(ソフトバンクの勝利で優勝の可能性が完全消滅)真しに受け止めないといけない。下克上を目指すので(監督去就など)今は全く考えていない。

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