脳振とう再発…青木 今季休養も 頭部死球後遺症、選手生命考え

[ 2015年9月7日 05:30 ]

8月9日のカブス戦で頭部に死球を受けたジャイアンツ・青木(AP)

ナ・リーグ ジャイアンツ7―3ロッキーズ

(9月5日 デンバー)
 ジャイアンツの青木宣親外野手(33)が5日(日本時間6日)、脳振とうの後遺症を訴え、ロッキーズ戦を欠場した。8月9日のカブス戦で頭部に死球を受け、故障者リスト(DL)入り。同20日に復帰したが、本来のプレーは影を潜めていた。週明けにピッツバーグで専門医の診察を受ける予定。脳振とうは選手生命に影響を及ぼすこともあるだけに、今季は残り試合を休養する可能性も出てきた。

 前日、ブルース・ボウチー監督は青木の先発出場を明言していたが、クラブハウスに張られたスタメン表に「AOKI」の文字はなかった。試合前練習にも姿はない。理由は脳振とうの再発。指揮官は「プレーしてもらう予定だったが、再び症状が出た。もう一度診察してもらわないと。ノリが心配だ」と語った。

 試合後、青木は報道陣に対応し症状を説明した。「胸が苦しかったり、目を動かすと頭が重くなったりする。感情のコントロールができない感じ。前回は感情の起伏はなかったが、今はイライラすることもあるし、音とかも気になる。以前とは違う症状がいろいろ出ている」。不安げな表情が深刻さを物語っていた。

 青木によると、脳振とうの後遺症を感じ取ったのは前日という。この日朝、起きた時にさらに悪化。「ちょっと怖くなった」と自らチームトレーナーに報告を入れ、その後欠場が決まった。

 頭部死球を受けたのは、8月9日のカブス戦。相手のエース右腕アリエッタの92マイル(約148キロ)の速球が直撃し、その場に倒れ込んだ。12日に復帰したが、脳振とうの症状が出たために途中交代し、翌日に7日間のDL入り。20日に復帰していた。しかし、本来のバットコントロールが見られず、14試合で打率・192。頭部死球前に・304あった打率は・287まで降下し、先発を外れるケースも増えてきた。集中力を保つのが難しい状況にあり「今思い返すと、復帰してしばらくはちょっとおかしかった」と打ち明けた。

 しばらくは欠場する見込みで、週明けに脳振とうの専門医がいるピッツバーグへ向かい、診察を受ける。復帰時期は専門医の判断を仰ぐことになるが、脳振とうの再発は選手生命に影響が及ぶ危険性もあり、球団は慎重。地元紙も「残りシーズンは休養する可能性が高い」と伝えた。

 移籍1年目の青木は1番打者として開幕からチームをけん引。初の球宴出場も期待されていたが6月20日に死球を受けて右腓(ひ)骨骨折で約1カ月間離脱し、8月の頭部死球は思った以上に深刻だった。ボウチー監督は「足の骨折や脳振とうがなければ本当にいい年だったのに…。ノリの気持ちを思うと気の毒だ」と、青木を思いやった。(デンバー・奥田 秀樹通信員)

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