西武 意地の3位再浮上!代打・大崎、延長10回に千金打

[ 2015年9月5日 05:30 ]

<ロ・西>田辺監督(左)とハイタッチする大崎

パ・リーグ 西武2―1ロッテ

(9月4日 QVC)
 小柄な代打職人は、二塁ベース上で右手を突き上げた。し烈な争いを続けるロッテとの「CS争い天王山」。1―1で迎えた延長10回、一振りでチームを3位に再浮上させたのは、西武・大崎のバットだった。

 「代打の自分には厳しい場面。ヒットが出るか出ないか、成功するかしないかだけ。結果が出てうれしいです」

 1死二塁。益田の3球目を空振りし、1ボール2ストライクと追い込まれた。「これで冷静になれた」と逆方向への意識を強く持ち直す。そして外角に投じられた5球目の148キロ直球を、コースに逆らうことなく左中間に流した。勝ち越しの適時二塁打。直前には走者・森に代走が送られ、田辺監督が「勝負を懸けた。大崎しかいない」と、決断した場面だった。

 常総学院で3度甲子園に出場し、2年時にセンバツ優勝。青学大に進学した野球エリートだ。1メートル69は、チームで2番目の小兵ながら巧みなバットコントロールでプロの世界を生き抜いてきた。チームでは大崎の「崎」をもじって「チャキオ」と呼ばれ、「独自の世界観を持っている」と近寄りがたいオーラを放つ30歳。試合前に指揮官が掲げた「一球一打全力」を体現し、負ければ自力CS進出の可能性が消滅するチームを救った。

 今季途中から1軍昇格したが、出場機会に恵まれず6月24日に2軍降格。「チームが好調なときは自分はいらない。これが代打の宿命」と悟った。そして1軍で先発出場する目標を捨て、2軍でも代打職人に徹した。43試合中、24試合が代打。8月6日に再昇格を果たすと「(代打で打席に立つ前に)スイッチを入れることができるようになった」。1軍では16打数6安打で、代打打率は・375を誇る。

 3位に浮上したとはいえ、ロッテよりも8試合多く消化しており、依然厳しい状況は変わらない。「自分は、苦しい状況で出る。それが代打の仕事。最後は勝ちます」と大崎。代打職人は一瞬の笑顔を見せただけで、最後は口を真一文字に閉じた。 (神田 佑)

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