広島・新井 15年ぶり本盗 一塁手ならではの判断「投げにくい」

[ 2015年9月3日 05:30 ]

<神・広>4回2死一、三塁、打者・田中の時、三塁走者・新井が本盗成功

セ・リーグ 広島5-1阪神

(9月2日 甲子園)
 96キロの巨体を揺すり、広島・新井は猛然と滑り込んだ。梅野のタッチをかいくぐり左手で本塁に触れた後、両手を広げて「セーフ」を訴えた。1点を追う4回。自身15年ぶり2度目の本盗で同点の得点を奪い、試合の流れを引き寄せた。

 「2死だったし、(田中)広輔も2ストライクだったしね。“何かあったら行け”と(三塁コーチの石井)琢朗さんからも言われていたので、勇気を持って行きました」

 2死一、三塁で田中のカウントは2―2。ベンチから出たサインは重盗だったもようだ。岩田が5球目を投じる前に一塁走者の鈴木誠が反応してしまった。逆を突かれ、慌てて帰塁。正確なけん制球なら刺されていた。ところが岩田からの球は二塁側へ高くそそれ、そこを新井が突いた。

 「スキあらば…と目を切らなかった。二塁側にそれたのも見ていた。走者がいるし、一塁手は投げにくいですからね」

 自身も一塁手。ゴメスが無理な体勢から本塁に送った球は、予想通り力ない2バウンドとなって競争に勝った。前回の本盗は00年9月13日の中日戦(ナゴヤドーム)。23歳当時の激走を「覚えていない」としながらも、「まだまだ走れますね」と高笑いだ。

 5回は菊池の左中間越え二塁打で勝ち越した後、2死二塁から遊撃内野安打でつなぎエルドレッドの3ランを呼んだ。首位阪神とのゲーム差を3・5に縮めた主役は「あしたも前へ、前への気持ちでやりたい」と力強く言った。(江尾 卓也)

 ▼広島・緒方監督 作戦上のことなので詳しいことは言えないけど、新井が思い切ってスタートを切ってくれた。あれで少し流れが変わったかな。

 ▼広島・菊池(5回2死二塁で左中間へ勝ち越しの適時二塁打。12試合ぶりの打点)とりあえず、うまく拾えました。

続きを表示

2015年9月3日のニュース