則本43日ぶり勝った!大谷超えK王 8回11三振で今季166

[ 2015年9月2日 05:30 ]

<楽・オ>8回のピンチを無失点で切り抜け笑顔でベンチに戻る則本

パ・リーグ 楽天4-2オリックス

(9月1日 コボスタ宮城)
 43日ぶりの白星。オリックスとの最下位争いも制し、5位を死守した。エースとしての意地を見せた楽天・則本は「コントロールも切れも最近の中では良かった」と8回2失点11奪三振での7勝目に安どしたが、すぐに反省の言葉を並べた。

 「終盤、疲れが出た。甘い球をシバかれたり、ポテンヒットがあった。修正点を見つめ直したい」。7回まで88球と完投ペース。しかし、2点リードの8回に1死から連打を浴びるなど、2死満塁のピンチを背負った。伊藤を遊ゴロに仕留めて無失点で切り抜けたが、この回だけで29球。9回のマウンドは守護神・松井裕に譲った。

 我慢の時期が続いた。前回、前々回は1失点ながら打線の援護に恵まれず、敗戦投手。「なぜ勝てないのか自分なりに考えた」。冷静に自分を見つめ直した。導き出した答えは「粘り」。この日は前回8月25日オリックス戦(京セラドーム)と同じ金子とのエース対決。「粘り強く辛抱強く投げた」と先制されても心を乱さず援護を待った。

 前回は父・義孝さんはじめ地元・滋賀県多賀町の知人ら約50人が応援に駆けつけた。則本がプロ入りするまで通い続けた野球塾の塾長、小寺学さん(34)も観戦。「とにかく負けず嫌い。厳しい練習にも弱音を吐かなかった」と負けん気の強さは人一倍だったという。恩師らの前で白星は飾れなかったが1週間後、4回途中で降板した相手右腕に雪辱を果たし、チームとしては金子に13年8月28日以来、734日ぶりに黒星を付けた。

 2試合連続の2桁三振で奪三振数を166とし、日本ハム・大谷を上回ってリーグトップ。「数字はあとから付いてくるもの。まずは8勝目を目指したい」。入団から3年連続2桁勝利は球団では初となる。心の底から笑える日まで、エースはさらなる高みを目指す。(徳原 麗奈)

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