清宮 離脱危機…左膝違和感で途中交代「試合前から変な感じ」

[ 2015年9月1日 05:30 ]

<チェコ・日本>練習中に左膝を気にする清宮

第27回WBSC U―18ワールドカップ・1次ラウンドA組 日本15―0チェコ

(8月31日 舞洲)
 高校日本代表の4番を務める清宮幸太郎内野手(1年=早実)が、チェコ戦で左膝に違和感を覚え、3回の守備から途中交代した。1次ラウンド最終戦となる1日のメキシコ戦(舞洲)は大事を取っての欠場が濃厚。今大会は12打数2安打と打撃も不振だった。初優勝を狙うチームはチェコに15―0と7回コールド勝ちして開幕4連勝。A組1位で各組上位3チームによるスーパーラウンド進出を決めたが、4番の回復具合が気掛かりだ。

 チェコを7回コールドで下し、A組1位突破を決めた日本。相手チームとのエール交換のハイタッチに加わった清宮は、左足を引きずっていた。その表情は普段とは違い、少し曇っていた。

 「試合前のキャッチボールくらいから、左膝が変な感じがするなと。立っている分には大丈夫だけど、歩いたり走ったりがちょっと…」

 違和感を覚えたのは試合前。左膝を押さえて気にするしぐさも見られた。それでもテーピングを施して出場。「4番・一塁」で今大会初めて守備に就いた。しかし、違和感は消えず2打席立ち、3回表終了時に西谷浩一監督に状況を説明。大事をとって交代し、アイシング治療を施した。

 原因は不明だが、夏の西東京大会から準決勝で敗退した甲子園まで世間の注目を一身に背負い、帰京後も中1日でU18日本代表の合宿に合流した。1カ月半ほぼ休みはなく、疲労の蓄積は容易に想像できる。この日も二ゴロ、右飛と凡退し、今大会は12打数2安打の打率・167。西谷監督も「結果が出ずに集中力が切れているようだった。ケガは関係なく、中途半端な打撃をしたら代えようと思っていた」と不調を感じ取っていた。

 膝の違和感は、初めての症状という。それだけに、本人の言葉もさえない。「力が抜ける?うーん…変な感じとしか言いようがない。疲労?何でしょうね。僕が一番知りたい」と首をかしげた。膝の故障は数々の選手が苦しめられてきたことも知っている。「松井(秀喜)さんや清原(和博)さん、父の関係でラグビー選手とかも半月板をやってしまう人がいた。だから大事にしたい」と、アスリート一家らしい本音も漏らした。

 「しっかりケアして、あした、朝起きてから様子を見たい。まあ大丈夫です」と軽症を強調したが、1日のメキシコ戦は大事を取って欠場する可能性が高い。2日は試合がないが、決勝まで行くとすれば、3日のスーパーラウンド初戦から4連戦となる。左膝は軸足となるだけに、打撃への影響も懸念される。

 「1年生で入れてもらったのに3年生の皆さんにも示しがつかない。なんとかチームに貢献したい」と清宮。初優勝を狙う日本の4番を任された1年生スラッガーに、大きな試練が訪れた。 (松井 いつき)

 ▽清原と松井の膝の故障 両選手ともに膝の故障が引退への引き金となった。清原は07年に2度の左膝手術を受けたが08年限りで引退。「膝の痛みが消えなかった」と話した。また、松井も巨人時代から両膝痛に悩まされヤンキース時代に07年オフに右膝、08年に左膝を手術。引退会見でも「手術した後も何とかだましだましやってこられたとは思いますが…」と話したが、現役終盤はDHでの起用が中心でプレー機会は限定された。

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