藤井“幻の決勝打” 90日ぶり打点も「負けたら一緒なんで」

[ 2015年8月30日 08:30 ]

<神・ヤ>6回2死一、三塁、藤井は左前適時打を放つ

セ・リーグ 阪神4-8ヤクルト

(8月29日 甲子園)
 下位打線で奪った価値ある得点だった。同点で迎えた6回2死一、三塁。絶好の好機で迎えた阪神・藤井の第3打席だ。カウント2ボール2ストライクから3球連続ファウルで粘った末の9球目。先発の石山が投じたカーブをはじき返すと、三遊間を真っ二つに破る左前適時打となった。

 「(適時打も)負けたら一緒なんでね…」

 幻に終わった“決勝打”に関しては多くは語らなかった。5月31日の西武戦(プリンスドーム)以来、90日ぶりとなる今季3打点目を記録。また甲子園では実に13年7月30日の中日戦以来となる2年ぶりの打点となった。追加点が求められた場面でベンチの期待に応える打撃を披露。結果的にはメッセンジャーが終盤に力尽きて敗戦を喫したが、それでも攻守で援護した。

 その一方、ベテランの奮闘に負けじと若手も敵に立ち向かった。6回2死からの第3打席。まずは今成だ。「2アウトだったし、うまく打てた」。カウント2ボール2ストライクからの5球目。内角への速球を強引に右前へと運んだ得点への突破口を開いた。続く伊藤隼も速球を中前打。2死からチャンスメークとなる連打で相手右腕にプレッシャーを与えた。

 「2アウトだったのでつなげられて良かった。1、2打席目ともにナリさん(今成)が塁に出ていたのにつなげられなかった。調子うんぬんで打てなかったら意味がない」

 伊藤隼は3打席目にして生まれた快音には手応えを感じていた。目下3試合連続で先発出場。その3試合は8打数3安打(打率・375)と好調だ。一方の今成も2試合連続のマルチ安打を記録。この夜は4番のゴメス、5番のマートンが無安打に終わるなど、今後は、さらに他球団も主軸打者を徹底マークすることは明白。それだけに以降を打つ下位打線の働きは重要となる。

 残り26試合。30日の先発は館山だ。右投手が相手のために今成、伊藤隼ともに先発出場することは濃厚。打撃好調を維持する伏兵たちは敵が見せるクリーンアップが過ぎた後の隙を狙っている。(山本 浩之)

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2015年8月30日のニュース