賢介 満弾!ハム今季7戦目でようやくヤフオクD初勝利

[ 2015年8月29日 05:30 ]

<ソ・日>5回2死、満塁本塁打を放った田中はナインの出迎えに笑顔

パ・リーグ 日本ハム11-1ソフトバンク

(8月28日 ヤフオクD)
 高めの球に、バットのヘッドを立たせてぶつけた。1点リードの5回2死満塁だ。日本ハム・田中は「ここで1点入らないとやばい」と勝負どころと位置づけ打席に入った。

 ソフトバンクの次の回の攻撃が1番から始まることを冷静に分析。前日まで2試合無安打で「打撃の状態もあまり良くなかったので、自分が打てる球だけをいくつもりだった。かなり開き直っていた」と直球に狙いを絞った。中田の141キロを完璧に捉えた打球はホームランテラスを越え、ソフトバンクファンで埋まる右翼スタンドへ突き刺さった。10年7月4日の楽天戦(Kスタ宮城)で川岸から放って以来となる自身2度目のグランドスラム。「自分では初めてだと思った」ととぼけるが、経験豊かなベテランならではの技術が詰まった一打だった。

 福岡出身の34歳。大リーグを経て今季から古巣復帰し、故郷で5年ぶりの満塁弾を放った。「北海道に長く住んでいるので、生まれた場所という意識はあるが、今は実家があるぐらい」と話したが、この日は両親に千芳夫人、29日に1歳の誕生日を迎える子供がスタンドで見守る中での活躍だった。これにはグラウンドでは勝負師となる田中も「いい前祝いになった」とパパの顔をのぞかせて喜んだ。

 チームは敵地・ヤフオクドームで今季7試合目にして初勝利。首位・ソフトバンクとは8・5ゲーム差あるが、直接対決がまだ9試合も残っている。「賢介が一番、この試合が大事なゲームだと分かっていた」と栗山監督。奇跡を起こすと、ベテランは本気で大逆転のシナリオを描いている。 (横市 勇)

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