おかわりも秋山も心酔 レオ最強助っ人デストラーデ氏「いつか監督を」

[ 2015年8月29日 08:10 ]

監督になる夢に向け笑顔でポーズを決めるデストラーデ氏

 1メートル93、100キロの大きな体。握手した手は、丸太のように太かった。「オーレ」の愛称で親しまれた西武OBのオレステス・デストラーデ氏(53)を7月、西武プリンスドームで取材した。米国でメジャーのテレビ解説を務める同氏は、仕事のため9年ぶりに来日。最強助っ人の存在感は、今でも圧倒的だった。

 「取材の前に、みんなにあいさつしたい。ちょっと待ってくれ」と、グラウンドに下りたデストラーデ氏。その姿を見た西武の現役選手が沸いた。「あれ、オーレじゃないか?」「オーレだ!オーレだ!」。中村、秋山が、走ってあいさつに向かう。他の選手も次々と駆け寄り、記念撮影まで求めた。皆にあおられ、左右のスイングを披露。両打ちだった当時をほうふつさせる力強い振りに、拍手が起こった。

 記者は14年1月から西武を担当し、さまざまな解説者が球場に訪れるのを見たが、このような光景を初めてだった。西武で90年から3年連続本塁打王とベストナインを獲得した同氏。驚かされたのは、今でも日本のプロ野球を日々チェックし、あまりに詳しいということだ。12球団の順位や、西武の主力選手のデータはほぼ完璧に把握している。「中村さんは打点、パワーは日本球界で一番。秋山さんはヒット数は一番なので、ぜひ2人に会いたかった」と喜んでいたのが、印象的だった。

 日本語も大体は聞き取ることができ、底抜けに明るい。サービス精神も旺盛だ。7月15日楽天戦(西武プリンス)を生観戦し、スクリーンに姿が映し出されると、弓を引くようなおなじみのガッツポーズを繰り出した。球場はこの日一番と言っても過言ではないほど、盛り上がった。さらに、本紙インタビューの撮影を終えたカメラマンが去ろうとしたときのことだ。日本語で「ちょっと待って!もう1枚」といきなり着ていたTシャツを脱いだ。するとその下には「Lions」とプリントされたTシャツがあった。「良かったねー!ビックリしたねー」と言い、カメラの前で何度もガッツポーズを決めてくれた。

 同氏は言った。「低迷しているBクラスの球団で自分が監督になったら、ファンを集めることができると思う。いつか日本球界で監督をしてみたい」。その日を待ち望んでいるファンは、多いと思う。(神田 佑)

 ▽オレステス・デストラーデ1962年(昭37)5月8日、キューバ生まれの53歳。5歳の時に米国に亡命。フロリダ短期大学から81年ヤンキースに入団し、87年にメジャーデビュー。パイレーツを経て、89年6月から92年まで西武でプレー。93年マーリンズに移籍し、95年西武に再入団した。西武では90年から3年連続本塁打王とベストナイン。現在は「FOX Sports Florida」の解説者を務める。1メートル93、100キロ。右投げ両打ち。

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