黒田 8年ぶりG倒 今季初中4日で自力V消滅危機救った

[ 2015年8月24日 05:30 ]

<広・巨>8勝目を挙げ、ファンの声援に応える黒田

セ・リーグ 広島2-1巨人

(8月23日 マツダ)
 今季初めての中4日。40歳の体にはしんどくないはずがない。だが、マウンドの広島・黒田はいつもと変わらなかった。ピンチを背負っても冷静に。負ければ自力Vの可能性が消滅する試合で、男気全開の104球。7回を8安打1失点(自責0)で、7月28日のヤクルト戦(神宮)以来の8勝目を挙げた。

 「自分の成績よりチームの勝利が一番。走者を出しても、点を与えなければこういう展開になると信じて投げました」

 7イニングのうち先頭打者の出塁を許すこと4度。だが、そこで本塁を踏ませないのが黒田の身上だ。6回2死満塁は二塁にけん制しようとした瞬間に「三塁走者が動いたのが見えた」と、とっさに三塁へ送球しアウトに。「きょうはついている」と自らに言い聞かせながら投げ失策が絡んだ3回の1点のみに抑えた。

 前回18日の中日戦(ナゴヤドーム)は初回に痛烈なライナーを右手のひらで止めにいき直撃。4回までマウンドを守ったが、実際は打席でバットを振れないほどの状態だった。それでも「影響は全くない」と言い切る。日本では中6日が一般的だが、メジャーは中4日が基本。ヤンキースに在籍した昨季もシーズン初登板を除く31試合のうち、15試合が中4日だった。「中4日の割り切り方は経験している」。その経験が正念場で生きた。

 巨人には借りもあった。6月30日の試合では1―0の完封目前だった9回に逆転サヨナラ負けを喫した。メジャーに移籍する前から巨人にはいつも以上に闘志を燃やしてきただけに、悔しさは大きかった。07年7月14日(東京ドーム)以来、2962日ぶりの巨人戦勝利は、日米通算190勝目。名球会入りの条件である「200勝」もカウントダウンに入る。

 チームは前田健で初戦を落としながら、3戦目で黒田が踏ん張り、勝ち越し。3位・ヤクルトに2ゲーム差と迫った。「この時期なので、登板間隔は言っていられない。チームのためになるのなら頑張りたい」。黒田の「経験と男気」は他球団にはない最大の強みとなる。

 ▼広島・緒方監督(黒田について)序盤から走者を出しながらも粘って投げてくれた。チームのために登板間隔を詰めていってもらいたい柱の一人。

 ▽黒田の前回巨人戦勝利 メジャー移籍前年の07年7月14日(東京ドーム)6安打2失点で無四球完投。打線も2―1の8回に女房役の倉の3ランなどで6点を奪って援護した。黒田は9回に古城の打球を右足で止めて投ゴロに打ち取るなど執念の力投で通算100勝目となった。

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