阿部先制10号で幕開けも終了は0時21分 巨人“ぐったり”勝ち

[ 2015年8月22日 05:30 ]

<広・巨>ファンの声援に応える巨人ナイン。後方には激闘を示すスコアボード

セ・リーグ 巨人4-3広島

(8月21日 マツダ)
 試合を終えたとき、日付は22日に変わり、時計の針は午前0時21分を刺していた。死闘を制した巨人ナインはレフトへ向かい、最後まで声をからしたG党へ頭を下げた。

 強雨による2度の中断を挟んだ熱戦に、小林がピリオドを打った。3―3の延長11回2死満塁、戸田から決勝の中前適時打。「こんな時間までたくさんのファンの方が残ってくれたので感謝したい」と汗をぬぐった。

 92年9月11日阪神―ヤクルト戦(甲子園)の0時26分に次ぎ、プロ野球史上2番目に遅い終了。ロングゲームの主役は、主砲の阿部だった。初回2死二塁。前田健の真ん中直球を捉え、右翼席へ放り込んだ。入団から15年連続の2桁本塁打となる先制10号2ランだ。

 「少し詰まった感触があったけど、しっかり振り抜くことができた。相手エースから打つことができて良かった」

 開幕114試合目の到達。入団年から15年は、巨人では原辰徳(現監督)の14年を抜き、長嶋茂雄(現終身名誉監督)の17年に次ぐ歴代2位となった。現在は一塁手だが、身体的に負担の大きい捕手をこなしながら、計356発を積み重ねた。

 最近はテークバックの際に右足を上げるのをやめ、すり足でタイミングを取るように修正。「目線がぶれないような工夫だね」。2―3の8回には中越えの同点二塁打。フェンスを越えたかのビデオ判定で逆転2ランとはならなかったが、3打点で勝利に貢献した。

 4連勝で首位・阪神と0・5ゲーム差をキープした原監督は「粘り強く戦えた。1時間30分ぐらいのゲームという気がしました」と振り返った。巨人はこの日午前8時半東京駅発の新幹線と、午前9時25分羽田空港発の航空機に分かれて広島入り。長い一日…いや「二日」を終えた阿部は「長かった。みんな頑張った」と息を吐き、帰りのバスに乗り込んだ。(青木 貴紀)

 ≪史上2番の遅い終了≫巨人は延長11回を戦い4―3で広島に勝利。試合時間は4時間55分だったが、降雨による中断が1時間26分に及んだため終了は22日午前0時21分。2日がかりの試合は13年9月4日の日本ハム―ソフトバンク戦(終了0時3分)以来13度目。終了時間では92年9月11日阪神―ヤクルト戦(0時26分)に次ぐ2番目に遅い試合となった。なお、巨人の2日がかりの試合は61年9月7日国鉄戦(●2―3)、04年8月20日広島戦(●6―7)に次いで3度目。勝ったのは今回が初めてだ。

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