岩隈、日米通算150勝!高まる評価、ジ軍が緊急視察

[ 2015年8月20日 05:30 ]

レンジャーズ戦で7回を投げ終え、ベンチで捕手のスークレ(2)と笑顔で話すマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ3―2レンジャーズ

(8月18日 アーリントン)
 マリナーズの岩隈久志投手(34)が18日(日本時間19日)、レンジャーズ戦に先発。12日のオリオールズ戦で無安打無得点試合を達成後初登板となった一戦で、7回5安打2失点と再び好投し、今季5勝目を挙げて日米通算150勝に到達した。昨季世界一に輝いたジャイアンツのスカウトが緊急視察に訪れるなど、今オフ終了後にFAとなる右腕の注目度は高まっている。

 3回1死、秋信守とこの日2度目の対戦。ランディ・ジョンソンの11イニング連続無安打の球団記録にあと1イニングと迫った初回には右前打を許した左打者に意表を突く配球を見せた。カウント1―1から内角高めのカットボールで追い込むと、勝負球にも2球続けてカットボールを投じた。「うまく厳しいところを攻めてストライクを取れたのが大きい」。最後の内角を狙った球は逆球となったが、外角低めに決まって見逃し三振を奪った。

 疲労で体調は万全ではなかった。7日のレ軍戦はメジャー自己最多118球、メジャー初完投で無安打無得点を達成した12日のオリオールズ戦は116球を投げた。追い打ちをかけるように試合開始時の気温は36度。序盤は球速が140キロ前後で「球がいかない」と感じていた。酷暑の中、支えになったのがカットボールだ。前回登板のオ軍戦では1球も投げず、相手データにはないこの球が効いた。岩隈はキャッチボール相手で、カットボールの使い手である同僚のファークワーから遊び感覚で習得。要所で織り交ぜて7回を2失点でしのいだ。

 今オフ終了後にFAとなる右腕を目当てに、この日は昨季世界一のジャイアンツのスカウトが緊急視察。休みだったスカウトをわざわざ派遣させる熱心さで、4試合連続クオリティースタート(QS=先発で6回以上、自責点3以下)を達成した右腕の評価はうなぎ上りだ。節目となる日米通算150勝目。200勝への意気込みを聞かれ「あと50勝。とても考えられない。一つ一ついきたい」と笑ったが、どんな状態でも勝つすべを知っている右腕なら不可能な目標ではない。(奥田秀樹通信員)

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