中学時代のバッテリーが甲子園で対戦 関東第一・鈴木「あいつの分も」

[ 2015年8月17日 06:09 ]

<関東第一・中京大中京>関東第一・鈴木と握手して健闘をたたえ合う中京大中京・上野
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第97回全国高校野球選手権3回戦 関東第一1-0中京

(8月16日 甲子園)
 甲子園球場内の取材エリア。試合後のストレッチが終わり、バスに乗るために両チームが一列に並ぶ。勝者の関東第一が先に進み、それを見送る形になる中京大中京。中京のエース上野翔太郎の元に関東第一の鈴木大智が歩み寄り、肩を叩き合う。「頑張れよ」「おう」。短い言葉で十分だった。

 中学時代、愛知西シニアでバッテリーを組んでいた2人。進学では「一緒に中京に行こう」と誘う上野に「俺は県外に出るから」と関東第一に進学した鈴木。あれから2年半。2人は対戦相手として甲子園で再会、鈴木が笑顔になり、上野は涙でマウンドを降りた。

 対決を楽しんだというのは失礼か。7回だった。関東第一がつかんだ2死一、三塁のチャンス。上野は「ダイチ(鈴木)を一人のバッターとして抑えにいきました。意識しないといえばウソになるけど」と変化球も駆使。一方の鈴木は「僕には全部真っすぐで来るんじゃないかと思ってました。そしたら変化球もけっこう投げてきて。全力で振りにいきました」。この打席ファウル8本、12球にも及ぶ対決は、内角高めに投げた上野の速球に鈴木のバットが空を切った。「打てなくて悔しいけどうれしかった」と笑顔でベンチに戻った。

 試合は9回、長嶋亮磨がサヨナラ本塁打。涙の上野に「あいつの分も頑張って日本一になる」と誓った鈴木。チームは分かれても、心はバッテリーのままだった。

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2015年8月17日のニュース