興南、甲子園13連勝!8回砂川V打 82年夏16強の父超えた

[ 2015年8月17日 05:30 ]

第97回全国高校野球選手権3回戦 鳥羽3-4興南

(8月16日 甲子園)
 第4試合では興南(沖縄)が終盤に粘りを発揮。“初代王者”鳥羽(京都)に4―3で逆転勝ちし、春夏連覇した10年以来の8強となった。同点の8回、大阪出身で親子2代興南の砂川謙斗外野手(3年)が左前決勝打。トルネード左腕の比屋根雅也投手(2年)が3失点に抑え甲子園13連勝。

 終盤、2点のビハインドを1点ずつ返した。同点の8回1死三塁。打席に入った興南の砂川は気合がみなぎっていた。

 「仲間がしっかり送ってくれたので、バットを振り切ることだけ考えた。真っすぐをいい感じで打てた」。打球は遊撃手の頭上を越えて左前へ。決勝点を呼び込んで笑顔を見せた。

 大阪生まれ。5年前、興南の春夏連覇は甲子園のスタンドで見届けた。堺市中百舌鳥中1年だった砂川は興南OBの父・謙二さん(49)に連れられて全試合観戦。「大差を逆転したり鳥肌が立った」。その感動がきっかけで親元を離れた。「最初は沖縄の方言が全く分からず外国語みたいに思えた」と戸惑いもしたが、82年夏に16強止まりだった父を超える8強進出だ。

 大阪入りしてから朝の散歩のあと、1分間スピーチが日課になった。毎日、2人が指名されるが比嘉主将は「散歩の途中にいろんな人たちから頑張れと励まされた。全力プレーで応えたい」とこの日の必勝を誓ってナインの拍手を浴びた。

 春夏連覇の名将・我喜屋優監督の采配もさえた。6回の1点は守備から入った高良が右中間二塁打でチャンス拡大したもの。7回も途中出場の二宮が右中間二塁打で出塁し、その後、スクイズに失敗した仲が「打て」のサインに応え、左越え同点三塁打を放った。

 「4点以上取られたら苦しくなるので早めに二宮、高良を出した。出した選手がよく働いた?準備ができている選手を使っているだけ」と指揮官も用兵に絶対の自信を見せる。ベンチも含め全員一丸。1つのボールに集中する「我喜屋野球」の真骨頂を示した。連覇の10年以来5年ぶり4度目の8強。甲子園から遠ざかっていた4年間の鬱憤(うっぷん)を晴らす興南旋風がいよいよ巻き起こる。(中島 泉)

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