マー君 今季チーム初の完投勝利で9勝目「一番いい形で勝てた」

[ 2015年8月17日 05:30 ]

<ブルージェイズ・ヤンキース>今季初の完投勝利を挙げ、マーフィーと抱き合って喜ぶ田中(AP)

ア・リーグ ヤンキース4-1ブルージェイズ

(8月15日 トロント)
 ヤンキース・田中が首位攻防戦でエースの投球を見せつけた。今季チーム初の完投勝利で9勝目。メジャー屈指の強打を誇り、前回9日の対戦で5敗目を喫したブ軍打線を5安打1失点に抑えた。チームが16連戦中で中継ぎが疲弊していた中、1人で3連勝に導きゲーム差を1・5に広げた。

 「自分でも想像していなかった結果。本当に一番いい形で勝てたんじゃないかなと思います」

 尻上がりだった投球のスイッチオンは1点リードの5回。2度のストレートの四球などで無死満塁のピンチを招いた。前回対戦で本塁打された、今季31発のドナルドソンから強打者が続いた。

 「今まで僕自身、そういう投球をしてきた。ああいう場面になれば力が入る部分はある」。トップギアへ一気に入った。ドナルドソンにこそ同点犠飛とされたが、続く27本塁打のバティスタはスプリットで空振り三振。同21発のエンカーナシオンは二飛で最少失点でしのいだ。「ああなるとスピードの差もそれなりに出る。緩急じゃないが、微妙な差が出て良かったんじゃないか」。楽天時代から何度も見せた、逆境を力に変える田中らしさを発揮。ドナルドソンへの2球目にこの日最速95マイル(約153キロ)を計時するなど球速が明らかに増し、6、7、9回はそれまでなかった3者凡退と終盤は危なげなく112球を投げ抜いた。

 昨年6月11日のマリナーズ戦以来、右肘故障後では初となる完投勝利。「(連戦で)中継ぎ陣の登板も増えていたし、ベタンセス、(抑えの)ミラーは休みだろうと。中継ぎ陣を休ませたいと思っていた」。13日まで11連勝で勢いづく同地区ライバルを叩くだけでなく、窮地のチームを救い勇気付ける、これぞエースの快投だった。(後藤 茂樹)

 ▼ヤ軍マーフィー捕手(先発マスクでは田中と2度目のバッテリーで好リード)5回のピンチは誰でも逃げ出したくなる場面。そこをしのいだ後、きょうは彼に完投してほしいと思った。

 ▼ヤ軍ジョー・ジラルディ監督 5回のピンチが鍵だった。無死満塁から、あれだけの打者たちを相手に1失点でしのぐのは本当に凄いことだと思う。

 ▼ブ軍ジョン・ギボンズ監督 この結果こそヤンキースがなぜ田中と契約し、この試合に投げさせたのかを物語る。

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2015年8月17日のニュース