【金本知憲氏 アニキのなんでも相談室】将来野球を続けられるか…本人の努力次第

[ 2015年8月11日 12:00 ]

 【相談】息子は高校2年の球児です。強豪校ではありませんが、1年からレギュラーとして投手や三塁で出ています。夏の大会で少しでも勝ち進んで大学へ行きたいと考えているようです。チームがあまり強くないのでスカウトの目に留まるまで勝ち進めるのか、疑問です。野球のセンスは持っていると思うので野球を続けさせてあげたいと思っています。スカウトが来なければ、どのような道があるのか…。息子さんがこのような立場なら、金本さんは、どんな道をすすめますか。(大東市 49歳 女性 看護師) 

 【意見】まずは、タイガースとカープのスカウトに見に行かせましょうか(笑)。タイガースの田中秀太スカウトを派遣させていただきます。

 と、いうのは冗談です。残念ながら、僕にそんな力はありません。

 大学にもプロ野球チームでいうような“スカウト”の役割を担っている人は確かにいます。ただ相談にもあるようにチームが勝ち進んだからといって、スカウトの人たちの見方が大きく変わることはあまりないように感じます。全国大会となれば、必ず1回戦からスカウトの人たちは見に行くものです。また評判や、うわさで注目される選手であれば地方大会でも、学校での練習でも視察に行くものです。将来的にプロに行く力のある選手であれば、すでにスカウトの目に留まっているはずです。昔と違い、現在は情報社会ですから、多方面から情報が入ってきます。

 「もし自分の子供だったら…」。仮定の話としても実際のところ現在の力がどれぐらいか、分からないと判断は難しいところです。僕は野球が専門なので、現状の力を見れば、どれぐらいのレベルかはわかります。それを見て判断した上で進路を選択させると思います。例えば大学なり、社会人なり、また今は独立リーグという新しい選択肢も増えてきました。

 確かにチームに力があったり、大会で勝ち進んでいくことで目に留まりやすくなる可能性はあります。一番気になるのは、息子さんの意思はどうなのか、という点です。大学を通過点としてプロを目指したいのでしょうか。大学で野球をやることができれば、それで満足なのでしょうか。いろんな選択肢がある中で何を望んでいるのか。本人の気持ちが大切だと思います。

 目標が定まれば、あとは本人の努力次第です。確実に言えることは、いまの頑張りが、未来につながるということです。頑張りが報われないこともありますが、今、できる精いっぱいのことをすれば誰かは必ず見てくれるものです。頑張ってください。(金本知憲=本紙評論家)

 ◆お悩み募集中 金本アニキへの相談を受け付けています。メールアドレス=yakyuu―o@sponichi.co.JP=まで。名前は匿名で掲載しますが、年齢、職業、連絡先は明記してください。

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2015年8月11日のニュース