大谷「自分で決める」人生初サヨナラ打 代打の先輩・矢野に学ぶ

[ 2015年8月9日 05:34 ]

<日・楽>延長10回無死満塁、サヨナラ打を放った大谷(中央)は手荒い祝福にも笑顔

パ・リーグ 日本ハム4-3楽天

(8月8日 札幌D)
 千両役者だ!日本ハム・大谷翔平投手(21)は8日の楽天戦で同点の延長10回無死満塁で代打で登場。右翼線に3年目で初のサヨナラ打を放ち、チームに連勝をもたらした。前日は8回に自身2年ぶりの代打本塁打。今季は両リーグ最多の11勝を挙げている投手での貢献が大きかったが、ここに来てバットも上向き。甲子園の季節に、大谷が二刀流の本領を発揮してきた。

 札幌ドームはこの日一番の歓声に包まれた。3―3の延長10回無死満塁。「代打・大谷」がコールされた。「自分で決める」と信じ、打席で集中力を研ぎ澄ました。武藤がフルカウントから投じた8球目のスライダーを振り抜くと、打球は右翼線へ。人生初のサヨナラ打。一塁ベースを回るとヘルメットを放り投げ、歓喜のウオーターシャワーで喜びを爆発させた。

 「みんなが必死につないでくれたチャンス。結果的にヒットになって、凄くうれしかった」

 先頭の中島から田中、中田と3連打。この時、野手でベンチに残っているのは二刀流の大谷のみで、栗山監督は「無死満塁の時のみ翔平でいくと決めていた」と言う。大谷も意気に感じた。「くさいところは打たないといけないので、全コース振るつもりだった」。球種を絞らず全てフルスイングし、4時間15分の熱戦に決着をつけた。

 前日から父・徹さん(53)と母・加代子さん(51)が岩手から駆けつけ札幌ドームで観戦。代打弾に続き、2夜連続でバットで親孝行を果たした。

 慣れない代打稼業。大谷は、ある人物の名を口にした。「どんな状況でもしっかりと準備をしなければならない。たとえ振れる準備ができなくても、気持ち(の準備)だけでも違う。矢野さんを見て勉強になった」。巨人から6月にトレードで移籍してきた「代打の切り札」だ。この試合でも、同点の7回からともにベンチ裏のミラールームで素振りをし、気持ちの切り替え方を学んだ。「矢野さんの方がプレッシャーのかかる場面だったけど、ピリピリしている雰囲気はない」。土壇場の9回2死から同点打を放った矢野には尊敬のまなざしを送る。

 お立ち台では、そろって「ファイターズ、最高!」と絶叫した。シャイな性格から普段なら決してやらないパフォーマンスは、実は事前に矢野に「やるぞ」と仕込まれたものだった。試合後、目に涙を浮かべていた栗山監督は「(目が)キラキラしていただけ」と照れたが、勝利に導くことこそが二刀流の本懐だけに、何よりうれしかった。

 首位・ソフトバンクとはまだ9・5ゲーム差あるが、諦めてはいない。「これから優勝するつもりで戦っていく」。頼もしすぎる「打者・大谷」の復調。二刀流が真価を見せるのはこれからだ。 (柳原 直之)

 ≪最高の“切り札”≫代打の大谷(日)が10回満塁の場面でプロ初のサヨナラ安打。代打殊勲安打は、昨年7月22日オリックス戦の同点二塁打以来2本目で、決勝打は初めてだ。また、満塁機での代打は 
 年 月 日 対 内 容 打点
14・7・30ロ 三 振 
15・5・27ヤ 二ゴロ(1)
7・31ロ 二ゴロ(1)
8・8 楽 右線安(1)
と3打席無安打だったが初の適時打になった。今季の代打成績は打率・364、1本塁打、5打点。安打、本塁打、打点ともにチーム最多と切り札として期待に応えている。

 ▽大谷と甲子園(花巻東=11夏12春)2度出場し、ともに1回戦敗退。2年夏は帝京戦で4回途中から登板し、左太腿の故障を抱えながら最速150キロをマーク。3年春は大阪桐蔭・藤浪と投げ合い、8回2/3を9失点も2回に本塁打を放った。

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