清宮 甲子園適時打デビュー「1本打たないと示しがつかない」

[ 2015年8月9日 05:30 ]

<早実・今治西>7回1死二塁、早実・清宮は右前適時打を放つ

第97回全国高校野球選手権第3日・1回戦 早実6―0今治西

(8月8日 甲子園)
 「和製ベーブ・ルース」こと早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(1年)が「20点」の甲子園デビューだ。1回戦4試合があり、早実は今治西(愛媛)を6―0で下して初戦を突破。清宮は3点リードの7回に貴重な追加点となる右前適時打を放ったものの、4打数1安打1打点の結果に満足はしなかった。チームは第1回大会で挙げた1勝から100年、県岐阜商を抜く歴代単独7位の夏通算40勝目。2回戦は大会8日目(13日)、広島新庄との対戦に決まった。

 初回の3点先取からスコアが動かないまま迎えた7回、清宮の第4打席。1死二塁の好機で、早実ベンチから西東京大会では一度もなかった打撃の伝令が出てきた。上條から「リズムを変えず、狙い球を待て」と耳打ちされ、うなずく。初球に真ん中の直球が来た。

 「甘い」。反応で振り抜くと、打球は一、二塁間を鋭く破った。二塁走者の玉川を迎え入れる適時打。ここから打線がつながり、3点を追加するダメ押しになった。

 「何度もチャンスで回ってきて、1本くらい打たないと示しがつかないんで」。走者を還すことが仕事と、事あるごとに繰り返してきた。得点圏に走者を置いての打席を4度与えられ、快打は1本。「まだまだですね」と笑顔の中にも、悔しさをにじませていた。

 しつこく内角を攻められた。1死二塁で迎えた初回の第1打席は内角が2球続いた後、高めのボール球に手を出して一飛に倒れた。3回は内角へのカーブが右足に当たる死球。4回2死二、三塁でまたしても高めに来た初球に手を出して中飛に倒れると思わずバットを地面に叩きつけた。

 「あれはダメですね。今度から気をつけます」と反省。「内角に来るのは分かっていたけどボール球に手を出した」。凡打が続き、打ちたい気持ちが出た。「それが良くなかったのかな。自分が打てば、もっと楽に勝てた。全打席ヒットを打つくらいじゃないと。きょうは20点」と自己採点は厳しかった。

 それでも、ストライクの球には全てフルスイングで反応。適時打の後は、続く加藤の右前打で全力疾走して三塁を陥れた。守備でも4回に魅せた。先頭打者の三ゴロで、山田からの低い送球を180度開脚し、目いっぱい体を伸ばして捕った。

 中学時代、清宮一家の中で一番体が硬いことを心配した父・克幸氏(ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機監督)が、知人のトレーナーにストレッチ指導を依頼。家族のサポートが、この大舞台で効いた。直後には一、二塁間を抜けそうな打球を逆シングルで捕球。ジャンピングスローで二塁へ送り進塁を防いだ。

 主役が上がるべきお立ち台に呼ばれたのは、注目度の高さゆえ。「僕は全然ヒーローじゃない。もっとヒーローらしい活躍をして、ここに立ちたい」。切り替えの早さもまた、大物らしかった。 (松井 いつき)

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