上本、喜べぬ猛打賞…失点繋がる痛恨2エラー「申し訳ない」

[ 2015年8月5日 05:30 ]

<広・神>7回2死二塁、上本が右越えに適時打を放つ

セ・リーグ 阪神5―6広島

(8月4日 マツダ)
 どれだけ快音を響かせても、心から喜ぶことはできない。上本にとって、浮き沈みの激しい1日となってしまった。

 「自分のミスでピッチャーに迷惑をかけてしまった。申し訳ない」

 守備で痛恨のミスが出たのは2点リードの3回だ。無死一塁からロサリオの放った正面の打球をまさかのトンネル。一、三塁とピンチは広がり、新井の左犠飛で1点差に詰め寄られた。完全な併殺コースで、難なく処理していれば、無失点で切り抜けられる可能性は高かっただけに、序盤から本調子でなかった先発・岩田の足を引っ張った。

 このままでは終われない。拙守を取り返そうと、バットで意地を見せた。4-4で迎えた7回、2死二塁でヒースの147キロ直球を捉えて、右翼越えの適時二塁打を放ち、勝ち越し点を叩き出した。だが、背番号4に更なる“落とし穴”が待っていた。

 直後の7回の守備。無死一塁から丸の二遊間への打球に追い付いたまでは良かったが、一塁への送球がショートバウンドとなって、ゴメスも後逸。一塁走者の菊池に三塁まで進まれ、その後、安藤がロサリオ、野間にタイムリーを浴びて逆転を許した。

 打撃では第2打席から3本連続で安打を放ってチーム唯一の猛打賞と気を吐き、足でも今季初の1試合2盗塁と奮闘しながら、いずれも失点に繋がった2失策が、試合の行く末を決めてしまった。

 高代作戦兼内野守備走塁コーチも「(3回は)エラーをするような捕り方。(基本は)足を止めて膝をつけて捕る。いつかエラーすると甲子園でも注意した。(7回も一塁送球して)アウトになるわけがない。状況判断やな」とバッサリと斬り捨てた。3連敗を喫した猛虎を象徴するような選手会長の試練の1日だった。

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2015年8月5日のニュース