大型補強しても勝てないナゾ!?「オリックス球団OBの嘆き」

[ 2015年8月2日 09:30 ]

7月31日、楽天戦の11回、サヨナラ二塁打を放った安達(中央)はナインに歓喜の水シャワーを浴びせられる

 オリックスがヒタヒタとCS圏内との差を詰めてきている。7月31日の楽天戦は、延長11回に安達のサヨナラ打が飛び出して粘り勝ち。4時間49分の熱闘を制し、これで勢いが出ると確信した。だが、試合直後に入ったあるオリックス球団OBの方の指摘は、喜びの声とは違う、鋭いものだった。

 「まだ(二塁走者の)伊藤がホームインしていないのに、ベンチから選手が飛び出し、(サヨナラ打の)安達にペットボトルの水をかけに行っていましたね」。試合終了まで、何が起こるか分からないのが、勝負事だ。楽天が万が一の可能性にかけてプレーを継続していたら。本塁直前で伊藤が転倒したら。ベンチを飛び出した選手が守備妨害にでもなれば…というものだ。

 1日の試合前、気になって審判団に確認してみたが、守備妨害が認められる可能性は限りなく低いという。ただ、全てを「たられば」の話と片付けてしまうと、いずれ致命的なミスを起こすかもしれない。

 仮にイチローが敵側にいたら、どうするか。そのOBは「あのセンターを叱責しているでしょう」と断言した。「ベンチを出てきた選手に向け返球して、守備妨害を狙っていますよ。少しでも可能性があれば、置かれた状況の中で絶対に負けないことをする。強かったときのオリックスは、そういう部分をしっかり指導されていましたから」。なるほど。そこまで言われると、正論と感じてしまう。

 だからオリックスは最下位なのだ、というのは言い過ぎだろう。だが、常勝軍団になるには、そんな試合巧者の思考が必ず必要である。「最後まで負けない方法を探さしてプレーする」は、本当の強さを身につけた証拠かもしれない。

 「でも、福良さんはあの時代を知っている。これまでやってきたことをやれば、チームを変えられるはずです」。そのOBは、そんなエールで結んだ。オリックスが常に優勝争いをするチームに変貌するためには、まだまだ道半ばなのかもしれない。

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2015年8月2日のニュース