今度は坂本!サヨナラの巨人、リーグ50勝一番乗りで再奪首

[ 2015年8月2日 05:30 ]

<巨・中>9回1死満塁から坂本はサヨナラ打を放ち長野に抱き上げられる

セ・リーグ 巨人5-4中日

(8月1日 東京D)
 サヨナラの巨人だ!巨人は1日、中日に5―4でサヨナラ勝ちした。2点を追う9回に片岡治大内野手(32)の左前適時打で1点差とし、坂本勇人内野手(26)の左中間2点二塁打で劇的な勝利を収めた。巨人は今季5度目のサヨナラ勝ちだが、最近4試合で3度も記録。今季最多タイの5連勝で6年連続のリーグ50勝一番乗りを果たし、阪神と入れ替わりで首位に立った。

 また、また、またサヨナラ勝ちをやってのけた。この日の主役は若き主将の坂本だ。試合を決める2点二塁打で4万人超の大観衆を魅了。歓喜の輪の中心で長野と抱き合い、右拳を突き上げた。

 「良い場面で回してくれたので、何とか決めたいと思って打席に立ちました。相手の方が苦しい場面だった。思い切って積極的にいきました」

 2点を追う9回。1死から2四球と安打で満塁とし、片岡の左前適時打で1点差。なおも満塁とおいしい場面で出番が回ってきた。「長打はいらない。コンパクトにいこう」。4番・長野につなぐ気持ちでバットを指1本分、短く握った。福谷が投じた初球の直球を左中間へはじき返す。自身5年ぶり、松井秀喜らに並ぶ7本目のサヨナラ打となり「久しぶりだった」と表情を崩した。

 原監督の執念のタクトが選手の心に火を付けた。9回先頭、前日に決勝3ランを放った村田に代打・堂上を起用し中飛に倒れたが、攻撃的な采配を続ける。6回に今季1号ソロを放った小林に高橋由、さらに宮国に立岡と3者連続で代打を送り、劇的ドラマを演出。指揮官は「2点ビハインド。うちの全パワーを出そうというところでああいう形になりました」と采配の意図を明かし、坂本は「2点差はワンチャンス。誰も諦めてなかった」と振り返った。

 主将の気遣いが一体感を生み出している。開幕マスクをかぶった小林が5月にプロ初の2軍落ち。必死にもがく1歳年下の後輩を気に掛け「しっかりやってるのか?」と電話で励ました。7月11日に再昇格した小林は「勇人さんの言葉がありがたかった」と感謝する。後半戦が始まる前日にはこう言った。「若い人から意識を高く持って全員でやっていけば自然と一つになって、もっと強いチームになる。気付いたことはどんどん言っていきたい」。若きリーダーの自覚の表れだった。

 今季5度目のサヨナラ勝ちで5連勝を飾り、リーグ最速で50勝に到達。阪神を抜いて単独首位に浮上した。4試合で3度のサヨナラ勝ちは球団史上初の快挙だ。「非常に興奮できる試合。チームとしていい風が吹いていると思います」。原監督は試合後、珍しく両拳を突き上げて喜んだ。

 お立ち台で興奮気味に何度もガッツポーズを見せた坂本は「本当にいい雰囲気で、最後まで諦めずにやっていけてる。あしたも勝って、みんなで喜びましょう!」と叫んだ。勝負の8月。最高のスタートを切った王者の勢いは本物だ。(青木 貴紀)

 ▼堂上 いい当たりでした。勝ったので全然悔しくはないです。激アツでしたね。到(橋本)の四球も良かった。

 ▼高橋由 何とか塁に出ようと思った。途中出場の選手も積極的にいったし、最後も勇人がよく決めてくれた。

 ▼立岡 出ている時と変わらず、塁に出ることだけを考えた。

 ▼橋本 打てればと思っていたけど、僕はつなぐ人なので。

 ▼片岡 速球狙いで2球で追い込まれたけど、最後は腹をくくっていきました。

 ≪最近4試合で3度目≫巨人は坂本の二塁打で中日に逆転サヨナラ勝ち。今季巨人のサヨナラ勝利は5度目になるが7月29、30日DeNA戦と合わせ最近4試合で3度目。巨人が1週間でサヨナラ勝ち3度は01年4月13、14日横浜戦、19日ヤクルト戦以来14年ぶり2度目だが前回は6試合を要して記録。4戦3度は球団史上初めて。坂本のサヨナラ安打は10年9月21日横浜戦でサヨナラ本塁打して以来5年ぶり7度目。巨人の最多サヨナラ安打は王の15度だが、7度は松井らと並ぶ7位タイ。

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