死球でもめた藤浪VS黒田 与死球はリーグ1位と2位

[ 2015年8月1日 17:38 ]

4月25日の阪神戦で藤浪(左)の内角攻めに激高する黒田

 プロ野球も後半戦に突入。熱き“無貯金”戦線を繰り広げていたセ・リーグだが、少しずつ差が開いてきた。その一方でタイトル争いだけでなく、「ノンタイトル」の王座争いもし烈だ。。

 7月終了時点で、主要タイトル争いの上位は以下の通り。

【最優秀防御率】
菅野智之 (巨人)1.58
ジョンソン(広島)2.15

【最多勝】
大野雄大(中日)9勝
前田健太(広島)8勝
ほか4投手が8勝で並ぶ

 それに対し、タイトルで表彰されないランキングからも貢献度が見えてくる。

【最多登板】
オンドルセク(ヤクルト)49登板
田島慎二 (中日) 46登板
又吉克樹 (中日) 46登板

 昨年は福谷浩司(中日)が72登板のタフさを披露した最多登板争い。昨年は中継ぎ陣が機能しなかったヤクルトにおいて、オンドルセクと秋吉(45登板で4位タイ)の奮闘は大きい。今年はクローザーを務める福谷に代わり、復活した田島がフル回転している。中日とヤクルトはリリーフ陣の疲労が後半戦の懸念材料になりそうだ。

【最多完投】
大野雄大 (中日)5完投
前田健太 (広島)5完投
藤浪晋太郎(阪神)5完投

 先発投手の誉れである完投。近年はめっきり減り、昨シーズンは7人の投手が3完投でトップを分けたが、今年は完投数が増えている。差の少ない激戦ゆえにエース格の投げ合いも増え、後半戦は熱き完投ラッシュが予想されそうだ。

【最多投球回数】
大野雄大(中日)144回
前田健太(広島)130.1回

 シーズンを投げ抜く体力と各試合での安定感が試されるスタッツ。完投数が多い投手が上位に来るのは当然だが、現在5位、122回のメッセンジャー(阪神)は完投がゼロ。昨年、208.1回でトップだった実績を持つメッセンジャーはさすがの安定感だ。

【最多与死球】
藤浪晋太郎(阪神)8与死球
黒田博樹 (広島)7与死球
菅野智之 (巨人)7与死球

 果敢に内角を攻める勇気あるピッチャーであることを示す与死球。昨年、久保康友(DeNA)とともに11与死球でリーグトップの藤浪が今年もトップだ。4月に藤浪から内角を何度も突かれて、カッ!とした黒田も負けず劣らず当てている。

【最多敗】
能見篤史(阪神)  9敗
山井大介(中日)  9敗
新垣 渚(ヤクルト)9敗
成瀬善久(ヤクルト)8敗

 本来は悪しきスタッツだが、シーズンを通してみると、

「苦しい台所事情でよくがんばった」
「負け投手になっても信頼されている」
「援護が少なかったがよく投げた」

 と敢闘賞的な意味合いもでてくる最多敗。トップタイの能見は9敗だが、防御率は3.67で思った以上には悪くない。

 苦しいときも挫けずに投げ抜く精神力が必要で、さっさと2軍に落とされるより、価値あるスタッツだ。……とはいえ、不名誉は不名誉。数字は減らないので、ここから立て直していきたい。(『週刊野球太郎』編集部)

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