バンデンハーク 球団新の来日5連勝!ソフトバンク4日にもM39

[ 2015年8月1日 05:30 ]

<西・ソ>来日5連勝のバンデンハークはウイニングボールを手にファンの歓声に応える

パ・リーグ ソフトバンク4-2西武

(7月31日 西武D)
 ソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(30)が31日、来日後無傷の5連勝を飾った。初登板の西武プリンスドームのマウンドに苦しみながらも、6回2失点と好投。先発での来日5連勝は、09年ジャマーノを上回る球団新記録となった。チームは3連勝で、貯金は今季最多の28。2位・日本ハムとは今季最大の7・5ゲーム差となり、早ければ4日にも優勝マジック39が初点灯する。もはやホークスの独走を阻むチームは見当たらない。

 ずっこけた。1点差まで追い上げられた5回1死一塁。3番・栗山への初球148キロを投げた際、バンデンハークは着地の左足を滑らせ、そのまま派手に転ぶ。その後も制球は定まらず、1死一、二塁のピンチ。だが、無敗の助っ人右腕の真骨頂はここからだった。

 「(転倒)は左足を平らにつけなかった。バランスも悪かったが、いい意味で粘れたと思う」

 相対したのは、初回2死二塁、右中間適時二塁打された中村だった。1ボールからスライダーを続けて空振りさせると、5球目に152キロをファウルさせた後、121キロのナックルカーブでタイミングを外し、空を切らせた。続く浅村は152キロの直球2球で追い込み、最後は129キロスライダーで連続三振。バットに当てさせなければ点にはならない。奪三振率12・2は、ダテではなかった。

 典型的な「内弁慶」だ。ヤフオクドームでは4試合28イニングで四死球1と抜群の制球力を誇る。ところが、京セラドーム、帯広、そしてこの日の西武プリンスドームの3試合では、17イニング14四死球と別人のような投球内容。だが、学習能力はずば抜けている。「(5四球出した)帯広の経験があったので微調整できた。マウンドの位置を変えたりした」。この日も4四球を与えたものの、と踏み出した足の位置を変えることでピンチをしのいだ。

 毎回、遠征に帯同したアナ夫人が、この日は福岡でテレビ観戦だった。登板前には美人妻手づくりの野菜スムージーを飲み、マウンドに上がった助っ人右腕は東京入りした前日30日。到着した羽田空港内でスムージーの店を見つけ、見るからに体によさそうな緑色のスムージーを飲み干した。西武プリンスドームは独特の蒸し暑さを感じさせるが「(暑さは)想像以上でも、それ以下でもなかったよ」と降板後も元気はあり余っていた。

 先発での来日5連勝は09年ジャマーノを上回る球団新記録。「光栄に思うが、一人の力だけでできるものではない」と本人は謙遜したが、工藤監督は「バランスを崩す場面もあったが、そういう中でも何とかするのはさすが」とその安定感を褒めちぎった。

 チームは3連勝で貯金は最多の28。2位・日本ハムとは今季最大の7・5ゲーム差とし、早ければ8月4日にも優勝マジック39が点灯する。77年の球団史を塗り替えた右腕が、独走モードをさらに加速させた。(福浦 健太郎)

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2015年8月1日のニュース