マエケン まさかの2回6失点KO「粘れたら良かったんですが…」

[ 2015年8月1日 05:30 ]

<D・広>2回6失点でマウンドを降りる前田健(左から2人目)

セ・リーグ 広島4-10DeNA

(7月31日 横浜)
 想定外の展開だ。広島・前田健太投手(27)が7月31日、DeNA戦(横浜)で7敗目を喫した。記録に表れない味方の拙守なども響き、今季ワーストの2回6安打6失点降板。今季の先発17試合すべて7回以上を投げ、抜群の安定感を誇ったエースの失点は重くのしかかり、打線の反撃も届かず。波に乗り切れない赤ヘルは、10勝10敗の五分で7月戦線を終えた。

 前夜、打線好調なヤクルトに大逆転勝利を収めたのに、一夜明けると、後半戦1勝8敗のDeNAにエースで大敗を喫した。波に乗りそうで乗り切れない赤ヘル。今季18試合目で初の背信投球となった前田健は、帰りのバスへと急ぐ途中で自らの責任を口にした。

 「きょうは良くなかった。不運? 粘れたら良かったんですが、(走者を)還してしまったので…。2回でほぼゲームが決まってしまった…」

 不運は確かにあった。いずれもファーストストライクを狙い打たれ、長短4安打に四球が絡んで4点を失った初回。1死一、三塁で、ロペスの左翼後方への何でもない飛球をグスマンが捕球し損なう(記録は二塁打)。困惑し、薄ら笑いを浮かべる右腕。捕球していれば2失点に終わった公算大だけに、試合展開に響く痛い拙守だった。

 「ファーストストライクを狙われるのは嫌なことじゃない。ただ、いい球が投げられなかった」

 もっと“らしくなかった”のは2回だ。四球の走者を2死二塁に置いて梶谷に適時打を許すと、筒香への四球を挟んでロペスにもタイムリーを浴びた。この回だけで3四球。前田健の1イニング3四球は08年8月12日、中日戦(広島)以来7年ぶり2度目。2イニング以下での降板は、試合前から右脇腹痛を訴え、1/3回で6点を失った同年6月1日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来だった。

 「先発投手が早い回で崩れ、中継ぎに負担がかかっているのは確か」。想定外の早期降板に緒方監督は渋い表情だ。畝投手コーチは「きょうのマエケンは直球に切れがなかった。体調面は関係ない。打たれたから交代させた」と説明し、次回、登板間隔を詰める可能性については「それはないじゃろ」と否定した。

 2連敗スタートの後半戦。セ界浮上に懸ける指揮官からキーマンの1人に指名され、「自分がやらないと始まらない。勝たないと意味がない。しっかり結果を出したい」と誓っただけに、胸中は悔しさや情けなさで充満しているに違いない。

 「次、頑張ります」

 次回の先発は7日、巨人戦(東京ドーム)が濃厚。エースの誓いをファンの誰もが信じている。(江尾 卓也)

 ▼広島・永田野手総合コーチ(一塁・松山、左翼・グスマンの布陣について)松山の方が守備はうまいし、一塁はけん制やサインプレーが入ってくる。(初回のロペスの飛球は)捕らなければいけない。ただミスは痛いが、打ってくれることに期待しての起用だから。

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