専大松戸初聖地!原ランニングV満弾、亡き母との約束果たした

[ 2015年7月27日 08:54 ]

<専大松戸・習志野>7回2死満塁、原がランニング本塁打を放ち、ホーム上で喜ぶ

第97回全国高校野球選手権千葉大会決勝 専大松戸7-3習志野

(7月26日 QVCマリン)
 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は26日、22大会で51試合が行われた。千葉大会決勝では専大松戸が習志野に7―3の逆転勝ちを収め、春夏通じて甲子園初出場。7回に原嵩投手(3年)のランニング満塁本塁打など一挙7得点で試合を決めた。福島大会決勝では聖光学院が日大東北を破り、戦後最長となる9年連続出場を決めた。27日は16大会23試合があり、山梨、石川大会など9大会が決勝を迎える。

 見えない力がボールに宿っていた。専大松戸が7回に11人の猛攻で7点を挙げ、春夏を通じ悲願の甲子園初切符。「夢じゃないかと思う」。逆転勝利の主役となったのは、誰よりも勝利を強く願っていたエースで4番の原だった。

 最高の舞台が用意された。7回に0―3から寺元、渡辺の適時打で追いつき、なお2死満塁。先発登板も4回途中2失点で右翼に回っていた原は、持丸修一監督に「4番の責任を果たしてこい」と送り出された。2球目の甘い直球をはじき返した強く低いライナーが、中堅手の判断を迷わせた。ワンバウンドで後逸する形になり、走者3人に続き、原まで走って走って一気にホームへ。船橋芝山との4回戦に続き、今大会自身2本目のランニング本塁打となった。

 昨年の大会直前の7月、がんで闘病中だった母・昭子さん(享年50)を亡くした。「私のことはいいから、甲子園に行けるように集中して」。母の願いをかなえようと2年生でエースナンバーを背負ったが、決勝で東海大望洋に大敗。最後まで力を発揮できなかった。

 「母との約束を守りたかった。自分が甲子園に連れて行く」。新チームを投打で引っ張り、迎えた最後の大会だった。普段は持ち歩く母の写真も公式戦では集中するためにあえて持参しない。それでも9回の守備では、母の顔が頭に浮かんだという。「帰ったらまず、母の仏壇に報告したい」と胸を張った。

 就任7年目の持丸監督は竜ケ崎一、藤代、常総学院(茨城)に続いて4校目の甲子園出場。「夢がかないました。年が年(67歳)だから涙は出ないですけどね」としみじみ話す名将は、今年のチームを「精神的に強い」と評した。その中心には、たくましくなった背番号1がいる。(矢吹 大祐)

 ◆専大松戸(千葉)1959年創立。ラグビーも強い。

 ▽複数校で甲子園に出場した主な監督 専大松戸で4校目となった持丸監督と同じ4校出場を果たしているのが、佐賀商、千葉商、印旛、柏陵と率いた4校全てで甲子園に出場した蒲原弘幸監督。三原新二郎監督は広陵、福井、京都西および京都外大西の3校で出場。ほか広島工、高陽東、瀬戸内で出場した小川成海監督や土佐、安芸、高知を率いた溝渕峯男監督らがいる。

 ▼日本ハム・上沢(11年度卒)鎌ケ谷の合宿所でテレビ観戦していました。逆転した瞬間は興奮しました。学校としてだけでなく、松戸市の高校が甲子園に出ることが、まだ信じられません。OBとしても地元民としても大変うれしく思います。

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