ヤマハ快勝呼んだ!元ヤクルト・ツギオ「ID野球」弾!

[ 2015年7月24日 05:30 ]

<ヤマハ・三菱重工長崎>6回1死二塁、左越え2ラン本塁打を放ったヤマハ・佐藤(右)

第86回都市対抗野球第6日・1回戦 ヤマハ3―0三菱重工長崎

(7月23日 東京D)
 1回戦最後の2試合が行われ、ヤマハ(浜松市)が元ヤクルトの佐藤二朗内野手(34)の2ランなどで三菱重工長崎(長崎市)に3―0で競り勝った。24日は2回戦3試合がある。

 「先輩」としての意地を見せた。シダックス、ヤマハと渡り歩いて社会人野球転向12年目。三菱重工長崎打線の中軸を固めた1年目の元巨人・加治前、2年目の元阪神・野原に対して「ちょっと意識はあった」という4番・佐藤が、試合を決める2ランを放った。

 4回に先制ソロを放った矢幡を二塁に置いた6回1死。左翼席へ貴重な2ランを運んだ。「(加治前、野原の)2人がヒットを打っていたので打ちたいと思っていた」と表情を崩した。

 「ノムラの考え」が生んだ一発だ。ブラジルから海を渡って99年にヤクルト入り。1軍出場なく03年オフに戦力外通告を受け、野村克也監督(当時)率いるシダックスにテスト入団で拾われてID野球に出合った。「データで球種を絞ったり、当時はなかなか理解できなかった」というが、必死でポルトガル語でメモを取ったその教えは現在でも支えとなっている。

 初回は2死二塁で内角直球に詰まらされて遊ゴロ。6回の打席はフルカウントとなって「直球7割、変化球3割。内角に意識を置いた」。読み通り、1打席目に打ち取られていた内角寄りの直球を見事に捉えた。

 昨季は6、7番を打つことが多かったが、今季から就任した美甘(みかも)将弘監督に4番を任されているチーム最年長の34歳。「次もチャンスで打ちたい」と力強く誓った。(東尾 洋樹)

 ◆佐藤 二朗(さとう・つぎお)1980年10月25日、ブラジル・サンパウロ州生まれの34歳。ワシントン・ルイス州立高から99年にヤクルト入団。同年はツギオ佐藤、00~03年はツギオの登録名でプレーした。1軍出場はなく、03年を最後にヤクルトを退団。社会人野球・シダックス入りし、07年からヤマハ所属。10年に社会人ベストナインに選ばれた。13年WBCブラジル代表。1メートル82、87キロ。右投げ右打ち。

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