原監督、執念の采配で再奪首!今季初めて沢村を8回途中から投入

[ 2015年7月21日 05:30 ]

<神・巨>勝利のタッチを交わす(左から)原監督、沢村、マイコラス、マシソン

セ・リーグ 巨人2-0阪神

(7月20日 甲子園)
 プロ野球は20日に後半戦が始まり、混戦のセ・リーグは巨人が首位を奪回した。阪神を相手に2―0の勝利。8回途中から投入された沢村拓一投手(27)が2死一、二塁のピンチを断ち9回も締めくくり21セーブ目を挙げた。15日の前半戦最終戦で首位陥落。勝利への執念を見せた原辰徳監督(56)の采配で連敗を4で止めて勝率を5割に戻し、ヤクルトに敗れた前半戦首位ターンのDeNAを抜き返した。
【試合結果 順位表】

 1―0の8回。2死二塁から3番手のマシソンが四球を出すと、原監督は守護神の沢村を起用した。8回からの投入は今季初めてのことだ。

 「1回1/3や2/3くらい、沢村は1週間のうち4回くらいできると思いますよ」。指揮官の信頼に、沢村も応えた。マートンを143キロのフォークで三ゴロ。1点の追加点をもらった9回も危なげなく抑え「いつでもいける準備をしている」とサラリと話した。

 前半戦最終戦の15日DeNA戦(横浜)ではサヨナラ負けの敗戦投手。切り替えはできていた。開幕前に「鬼になれ。鬼は笑わない。鬼は泣かない」とマウンドで感情を封印する重要性を説いた原監督は「きょうのセーブでいい方向にいってくれると思う。引きずることはない。彼は鬼ですから」と評した。

 進化は精神面だけではない。昨年、右肩の違和感に苦しんだ沢村は、体のケアへの意識がこれまで以上に高まった。自費で治療器を購入し、休日も体を手入れ。不慣れだった毎日肩をつくる準備も、現役時に157セーブを挙げた豊田投手コーチの助言を受けて適応した。「毎日大事ですけど(後半戦開幕の)再スタートですからね」。接戦を制した喜びを少しだけ口にし「またあしたですね」と次を見据えた。

 攻撃でも「執念」が見えたのは6回。無死一塁で4番の亀井が送りバントをし、甲子園のスタンドをどよめかせた。息詰まる接戦で、「2点目を喉から手が出るほど欲しかった」と原監督。後半戦開幕を前に「相手チームより1点を多く取る。そこに大きな執念を燃やして戦いたい」と語り、それを実行した。

 体の近くを抜かれた安打が2度あるなど本来の動きを欠いた三塁・村田は、9回は吉川に代えて守備を固めた。「甲子園でスタートというのはいい舞台。きょうの勝ちをつなげた状態であすも戦っていきたい」。伝統のカードで振ったタクトは、混セを勝ち抜く信念を示したものだった。(大林 幹雄)

 ▼巨人・亀井(犠打成功に)つなぐ人ですから。サイン通りにできた。

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