怪物1年本領!早実・清宮 外角攻め逆手に逆方向へ2二塁打3打点

[ 2015年7月20日 05:30 ]

<都府中西・早実>2回無死一、三塁、左翼線へ2点二塁打を放つ早実・清宮

第97回全国高校野球選手権西東京大会4回戦 早実12―5都府中西

(7月19日 八王子市民)
 「和製ベーブ・ルース」が本領を発揮した。1年生で早実の「3番・一塁」に座る清宮幸太郎内野手が19日、第97回全国高校野球選手権西東京大会4回戦、都府中西戦で2安打3打点を挙げる活躍を見せた。外角攻めを徹底される中、前日はポテンヒット1本に終わったが、この日はともに左方向への二塁打を放つ対応力を見せた。チームは16強入り。3連戦となる20日の5回戦では都日野と対戦する。

 同じ失敗は繰り返さない。清宮が怪物らしさを発揮したのは、2回の第2打席だった。無死一、三塁から相手投手は4球連続で外角へ投じてきた。1ボール2ストライクからの4球目、外角低めの厳しいコースを、逆らわずに左翼線へ。二塁ベース上で堂々と振る舞う姿に、風格が漂った。

 「きのうはあんなぶざまなバッティング。きょうはやってやるぞと。自分の方が相手よりも上と思って、どんな球でも来いという気持ちだった」

 初回1死二塁の第1打席では、内寄りの直球を捉え左中間二塁打。ライナーでの先制打でチームを勢いづけた。「やっと出たなと。良かったです」。2打席連続タイムリーで、2安打3打点。頭の中を整理したことが好結果につながった。

 夏のデビュー戦となった前日の3回戦・都東大和南戦では、執ような外角攻めに苦しみ、ポテンヒット1本に終わった。試合後にグラウンドに戻り、練習試合で本塁打を打った際の映像を見返した。「自分で勝手に力を入れていた」と反省。リラックスすることを心掛けて約1時間、バットを振った。

 入学からわずか4カ月で高校通算13本塁打。相手バッテリーから長打を警戒され、外角攻めが多くなる。それを逆手に取った。ベースから少し離れて立つ清宮は、右肩が開かないことを意識しながら、思い切り踏み込んで投球を捉えにいった。「インコースに来たらさばけばいいと思って。外に来たからボンと打った」。内角球に自信があるからこそ、踏み込める。

 早実の大先輩、ソフトバンク・王貞治球団会長は現役時代は引っ張り専門。野手が右寄りに守る「王シフト」が敷かれたほどだった。清宮も東京北砂リトル時代、世界大会の舞台で右越えに90メートルを超える特大弾を放つなど引っ張る印象は強いが、広角に打てる技術も持ち合わせている。高校の公式戦で初めて披露された左方向への長打、しかも2本だ。これでは今後当たる対戦校は「清宮シフト」をイメージすることも難しい。

 1日で打撃フォームを修正し、力むことなく逆方向へ2安打。それでも清宮は「70点」と言った。都日野相手の5回戦で夏の初アーチが出れば、残りの30点が埋まる。
 (川島 毅洋)

 ▼早実・和泉実監督(清宮は)肩の力が抜けた。まだまだ彼本来(の力)ではないので、期待している。

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