東海大相模・小笠原５連続Ｋ締め　８回から今夏初登板、圧巻２回完全

[ 2015年7月20日 05:30 ]

第９７回全国高校野球選手権神奈川大会３回戦東海大相模８―３住吉

（7月19日保土ケ谷）
　第９７回全国高校野球選手権大会（８月６日から１５日間、甲子園）の地方大会は１９日、４２大会で３０９試合が行われた。神奈川大会では連覇を狙う東海大相模が住吉を８―３で下し４回戦に進出。今夏初登板のプロ注目エース・小笠原慎之介投手（３年）が２回完全、５者連続三振と快投した。大阪大会では昨夏甲子園優勝校の大阪桐蔭が、初戦で激突した履正社との優勝候補対決を５―１で制した。２０日は４６大会２７５試合が行われる。

　１点リードの８回に訪れた出番。私立の雄に食い下がる相手公立校を応援する拍手が場内に響く。今夏初登板の小笠原は、その空気を自らの左腕で制圧した。圧巻の５者連続奪三振、２回パーフェクト。ドラフト１位候補の貫禄だった。

　「心の準備はできていた。昨年、一昨年もベンチに入っていたから、いい余裕があった」

　名門の背番号１を背負う強い思いをマウンドにぶつけた。先頭を三ゴロに抑えると、続く打者を真ん中低め１４１キロで空振り三振。３人目には１４４キロで低めを突き、３球三振。連続でバットに空を切らせた。

　８回に自らの中前適時打と千野の右越え３ランで加点したが、９回も緩まない。「自分の一番良い球で抑える」と自己最速にあと３キロと迫る１４６キロの直球で押し、三振、三振、三振で斬り捨てた。投じた２６球のうち２３球が直球。ネット裏でこの日唯一視察していたソフトバンクの荒金久雄スカウトは「今の高校生で一番良い直球を投げる。他の選手が夏の入りに苦しむ中、堂々としていた」と高く評価した。

　昨夏神奈川大会決勝で大会タイ２０奪三振を記録した右腕・吉田とエースの座を争った。寮でも暇さえあればゴムチューブを手にインナーマッスルを鍛え、体重を５キロ減の８３キロまで絞って昨秋から背負った背番号１を守り抜いた。「１をつけているし、やるのは自分」と自らを律し、甲子園を見据えて現在も重い負荷をかけて体をいじめる。

　昨夏甲子園は初戦敗退。「借りを返したい。負けるとか、自分の頭の中にはない」。全国の頂点に立つまで左腕を振り続ける。　（松井　いつき）

　◆小笠原　慎之介（おがさわら・しんのすけ）１９９７年（平９）１０月８日、神奈川県生まれの１７歳。小１で野球を始める。善行中時代は湘南ボーイズに所属し、中３夏に全国大会優勝。東海大相模進学後は１年春からベンチ入り。家族は両親と弟、妹。１メートル８０、８３キロ。左投げ左打ち。