久々圧勝劇に観客「おぉ!」巨人11得点!昨年4月以来先発全員安打

[ 2015年7月12日 06:08 ]

<巨・神>勝利のハイタッチを交わす坂本(中央)ら巨人ナイン

セ・リーグ 巨人11-2阪神

(7月11日 東京D)
 試合後、東京ドームに「今季初の先発全員安打」とアナウンスされると、観客から「おぉ!」と、どよめきが起こった。久々の圧勝劇。お立ち台の巨人・坂本は「打った瞬間、久しぶりの良い感触で気持ち良かった」と笑顔を振りまいた。

 主将の一撃が猛打爆発の号砲だった。初回2死走者なし。「2死だったので思い切っていった。コンパクトに振り負けない気持ち」と、藤浪が投じた150キロの直球をフルスイングすると、打球はバックスクリーン左へ突き刺さった。自身18打席ぶりの安打だった。

 6学年下の藤浪には、これまで22打数5安打、打率・227と抑えられてきた。昨秋から侍ジャパンの同僚でもあり「甲子園で連覇した投手は過去にもそういない。大一番に強い」とその実力を認めている。ともに今後は代表の中心選手として活躍が期待される中、リーダー役を求められている26歳が、藤浪からの初アーチで貫禄を示した。

 前日まで4連勝と勢いづく中、3番の坂本だけは4試合無安打で、もどかしさを募らせていた。練習前には「打撃が分からない」と珍しく弱音も吐いた。それでも、試合が始まれば「1打席1打席リセット」と迷いを捨て、1打席目から「強気に打ちにいけて良かった」。7回にも左翼線二塁打でマルチ安打を記録。9日に直接指導した原監督は「力の抜いた良い打撃だった」と評した。

 主将の一打で勢いづいた打線は、これまでのうっ憤を晴らすかのように打ちまくった。原監督も、6連勝中の藤浪に対し「(直球と変化球)両方を追いかけるのは難しい。そっちの球(直球)に的を絞っていった」と攻略法を指示し、6回途中でKOした。昨年4月以来の先発全員安打で今季最多タイの11得点。指揮官は「我が軍は得点に飢えている。理想的な点の取り方だったと思います」と納得の表情を浮かべた。

 チームは今季最多タイの5連勝。2位とのゲーム差を2・5に広げ、混セを抜け出す兆しが見えてきた。今季チーム最多8度目の決勝打を放った坂本は「あしたも勝てるようにベストを尽くします!」と両手を突き上げて、ヒーローインタビューを締めくくった。 (青木 貴紀)

 ≪今季セは首位と3ゲーム差が最大≫巨人が今季最多タイの11点を奪い5連勝。初回坂本の先制本塁打がV打となったが、連勝期間中の勝利打点は最近3試合を含め4度が本塁打。巨人が3戦連続本塁打でV打を記録するのは13年6月5日の日本ハム戦小笠原、6日同阿部、8日楽天戦阿部と続けて以来2年ぶりになる。今回の5連勝前に巨人は37勝を挙げていたが、V弾は7度だけ。ここへきて効果的な一発が増えてきた。これで2位阪神、ヤクルトとは2.5ゲーム差。今季セでは5月に首位のDeNAが2位の巨人につけた3ゲーム差が最大。3.5ゲーム差以上に広げたチームはないが巨人は抜け出せるか。

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