恐るべし22歳!ヤクルト山田4番弾 史上初「3冠&盗塁王」射程

[ 2015年7月11日 05:38 ]

<ヤ・D>2回無死、プロ入り初の4番に座った山田は左越えに19号ソロを放つ

セ・リーグ ヤクルト4-2DeNA

(7月10日 神宮)
 いきなり放った一撃に、神宮球場の空気は一変した。0―1の2回、ヤクルトの新4番・山田の初打席。井納のスライダーを左翼席へ運んだ。「4番というのは意識せず、いつも通りいけたのでいい結果につながったのかな」。同僚の畠山に並ぶリーグトップの同点19号ソロだった。

 左内転筋の肉離れで4番を務めていた畠山が離脱。3番から、プロ5年目で初めて4番に座った。履正社時代の2年夏に数試合だけ4番を務めたというが「嫌だったから、監督に“僕が4番じゃチームが弱くなる。3番の方が強くなります”と直訴して3番にしてもらったんです」と振り返る。プロでの初4番にも「体がでかくて遠くまで飛ばせる人がやるイメージ。僕は体形が4番じゃないもん、恥ずかしい」と控えめだったが、細身な体で長打を量産。本塁打王に加えてリーグ4位の打率・310、同3位の47打点。15盗塁もリーグトップで史上初の「3冠王&盗塁王」も射程圏に捉えている。

 この日、2年連続で出場する球宴で本塁打競争に出場することが決まった。「たぶん2戦とも初戦敗退。強い気持ちでいきたいが、冷静に考えると無理」と弱腰。「中田翔さんとか連れてきてセ・リーグで出させちゃ駄目なの?」とネガティブ発言を繰り返したが、その打撃にはファンの期待も高まるばかりだ。

 同点の4回には左翼フェンス直撃の二塁打で出塁し、勝ち越しのホームを踏んだ。畠山が離脱しなくても真中監督は「うちのチームではNo・1の打者。勝負強いしパワーがあるし、相手が一番嫌がる」と「4番・山田」を考えていたという。4番に座っても、いつも通りの打撃ができる強心臓も山田の持ち味。昨秋に小川前監督が退任した際、自身の監督就任の報道が続いた時期を振り返り「“来年監督やるんですか?”と直接聞いてきたのはあいつくらいだよ」と笑う。心身ともに4番の器を兼ね備えた山田には「代役のつもりはない。後半戦の4番も全然あり得る」と期待した。

 「安打の延長が本塁打。僕はホームランバッターじゃないので、勘違いしないように安打を打ち続けたい」と山田。22歳の新4番には風格が漂っていた。 (町田 利衣)

 ▼ヤクルト・杉村チーフ打撃コーチ(山田について)ボール球に手を出さず甘い球を仕留める基本ができている。今の山田には投げるところがないのでは。

続きを表示

この記事のフォト

2015年7月11日のニュース