キング快走25号のおかわり 一発だけじゃない 打率も急上昇のワケ

[ 2015年7月6日 07:53 ]

<西・ロ>3回1死、中越え本塁打を放つ中村

パ・リーグ 西武3-1ロッテ

(7月5日 西武D)
 西武・中村らしい高い放物線を描くアーチではなかった。ライナーでそのままバックスクリーン右へ。低めのフォークで、見逃せばボールだった。引っ張ることなく、センター返しを心掛けたことで低い弾道となった。

 「感触はありましたね。(弾道が低くても)入るでしょう。うまく打てました」。2―0の3回に放った25号ソロ。今季2度目の3戦連発で、22号を放った日本ハム・中田との3本差を保った。

 常に本塁打数に注目が集まるが、実は昨季までと大きな違いがある。・291の高打率だ。自身の通算打率は・257。プロ13年間で、3割到達は一度もない。普段は打撃成績で目標の数字を口にすることはないが、「3割は一回でいいから打ってみたい。たぶん無理だけど」と言った。

 なぜ、高打率を残せるようになったのか。典型的なプルヒッターだが、今季は「(常に)チームが勝てるように思っている」と一発を狙わず、チーム打撃に徹する場面も増えた。リーグトップの99三振だが、得点圏では29三振しかしていない。「三振は多い。でも1点が欲しい場面で食らいついてくれている。だから打率が残る」と宮地打撃コーチ。それを物語るのが、リーグトップの22二塁打。この日の一発も逆らわずに中堅へ打ち返した「ヒットの延長」だった。本塁打数とともにリーグトップの打点も試合数と同じ79に伸ばした。

 4番が打線を引っ張り、2連勝で今季最多タイの貯金10。開幕前日の3月26日、狭山不動尊にチームで必勝祈願をした。中村は絵馬に、個人の目標ではなく「優勝 中村剛也60」とだけ書いていた。 (神田 佑)

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