藤浪 大谷超え二刀流!両リーグ最多115K&打率もライバル抜いた

[ 2015年7月6日 07:17 ]

<D・神>2回、藤浪は左中間へ先制の適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神8-1DeNA

(7月5日 横浜)
 阪神・藤浪は「三振しかない場面」と狙いにいった。4点リードの6回1死二、三塁、バルディリスを2ボール2ストライクと追い込むと、決め球にカットボールを内角から入れて見逃し三振。さらに倉本はフォークで見逃し三振に斬った。

 試合後、和田監督は「だんだん引き出しが増えてきている」と評した。藤浪の武器であるカットボールは通常、右打者の外角に投じる球種だが、意表を突いて、内角のボールゾーンから曲げた。試合前に「内角に使おう」と話し合ったというベテラン捕手の鶴岡は「外のカットのイメージが強いから」と明かした。また、倉本を仕留めたフォークについては、藤浪が「マークされる球種ではない」と説明した。相手の裏をかく投球術。勝負どころで奪った2つの見逃し三振こそ、今季の成長だった。

 このピンチを切り抜け、勝利を手中に収めた。雨が降り続き、ボールが滑る中、5四死球と制球に苦しみながらも「粘り強く投げられた」と8回を4安打1失点にまとめ、自身6連勝で7勝目。3回を除く毎回の12三振を奪った。今季5度目の2桁奪三振は、日本ハム・大谷に並び、シーズン115奪三振は、そのライバルを上回り、再び両リーグトップに立った。

 「二刀流」でも負けていない。2回2死二塁で、1年目にプロ初安打を放っている三浦のスライダーを叩き、左中間へ先制適時打。「狙っていた球種がたまたま来た」と謙遜するが、今季の打率は・194で、単純に比較はできないものの、大谷の・186を上回った。さらに自ら打点を挙げた試合は10戦全勝と、野手顔負けのバットでも勝利に貢献している。

 チームは連勝で首位を守り、セで唯一の貯金1とした。ヒーローインタビューでは「前半戦もあと少しですが、しっかり締めて後半戦も頑張っていきたい」と締めくくった藤浪。エースの風格に、凄みも加わってきた。

 ▼阪神・中西投手コーチ(藤浪について)きょうは変化球が良かった。真っすぐはもう一つだったが、テンポも良かった。(内角へのカットは)バルディリスのところで入れていけ、というのは言っていた。

 ≪自身最多連勝≫藤浪(神)が5月14日のヤクルト戦から6連勝。6月10日のソフトバンク戦からは4戦4勝で、過去4度ある3戦3勝を抜く自身の最多連続試合勝利をマークした。この日は12三振を奪い、6月3日のロッテ戦以来今季5度目(通算10度目)の1試合2桁奪三振。昨季に並ぶ自身のシーズン最多回数で、今季両リーグでは大谷(日)とともに最も多い。なお、阪神でシーズン6度以上なら06年井川の6度以来9年ぶりとなるがどうか。

続きを表示

この記事のフォト

2015年7月6日のニュース