真っ先にバスへ…黒田 無言貫く 2949日ぶり完封目前で黒星

[ 2015年7月1日 05:30 ]

<巨・広>9回1死一、三塁、亀井にサヨナラとなる左犠飛を打たれた黒田

セ・リーグ 広島1-2巨人

(6月30日 東京D)
 痛恨の逆転サヨナラ負け。試合直後、広島のロッカールームから誰よりも先に帰りのバスに向かったのは黒田だった。報道陣に何を聞かれても無言を貫いた。普段から丁寧に取材に応じる男の胸の内では、自身への怒りと悔しさが渦巻いていたに違いない。

 8回までは圧巻の内容。ツーシームとスライダーなどでコーナーを突き、巨人打線に的を絞らせない。散発3安打。唯一、得点圏に走者を背負った7回無死二塁でも後続を断った。しかし9回に暗転。日本球界では07年6月3日楽天戦(当時フルスタ宮城)以来、2949日ぶりの完封勝利は目前だった。亀井にサヨナラ犠飛を打たれたのは今季最多タイの118球目。皮肉にも広島復帰後初の完投となったがそこには悪夢のような結末が待っていた。

 メジャー移籍前の04~07年には19試合で13勝3敗だった「巨人キラー」。8年ぶりの対戦に「昔から強いチーム。当然そういう(特別な)気持ちになる」と闘志を燃やしていた。その言葉通りの気迫満点の内容。今季5度目のサヨナラ負けとなったが、緒方監督は「(黒田は)責められない」とかばった。歴戦の勇者が、野球の神様に、あらためて勝利への厳しさを突きつけられた。

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