阪神・福原 7連投目の黒星 “連勝の立役者”使い詰め酷や

[ 2015年7月1日 07:58 ]

<ヤ・神>8回1死満塁、福原は大引に勝ち越し中前適時打を打たれる

セ・リーグ 阪神3-4ヤクルト

(6月30日 神宮)
 勢いのない詰まった打球は無情にも、前進守備の二塁手・上本の左を抜けた。3―3で迎えた8回、1死満塁。2ボール1ストライクから阪神・福原が投じた内角高めの速球は、大引のスイングを上回ったかに見えたが、結果は中前適時打になった。

 連勝街道に別れを告げる4点目…。ヤクルト戦連勝も7で止まった。試合後、進撃を支えてきたベテラン右腕は、力なく振り返った。

 「(甘かったか?と問われ)どうですかね。詰まらせてはいましたけれど」

 神宮での投球は、精彩を欠く内容だった。先頭・上田に右前打されると二盗を決められ、無死二塁。川端への四球で一、二塁とし4番・畠山は空振り三振に封じたが、代打の森岡に痛打された。ヤクルトの走塁ミスがあり1点に収まったが、打者5人に対し、3安打1四球。本来の姿には程遠かった。

 福原に対する絶対的な信頼感が、皮肉なことに蓄積疲労を呼び込んだ。リーグ戦再開となった20日のヤクルト戦(甲子園)から、この日を含めると全7試合にリリーフ登板。1分けを挟む今季最長6連勝に大きく貢献していた。移動日や雨天中止を挟んでいるとはいえ、負担の大きさは推して知るべし。中西投手コーチは先を見据えて言う。

 「忍(福原)を責められない。これからは休ませなきゃいけないな」

 71試合を終え、得失点差がマイナス67でありながら首位に立つという怪現象。背景にあるのは、接戦をことごとくものにしてきた試合運びだ。言うまでもなく、主に8回を任されるセットアッパー福原の安定感があってこそ。この試合を迎えるまでの登板30試合で防御率1・01だったことを考えれば、この夜の敗戦だけで非難の声を浴びせるのはあまりに酷だ。

 だから、和田監督の信頼も変わらない。「福原は福原で目いっぱいいった結果。明日(1日)も投げてもらわないといけない投手だからね」。松田は7回を2三振を含む3者凡退で切り抜けた。福原を生かすためには、松田ら若手投手の台頭が急務と言える。
 (森田 尚忠)

続きを表示

この記事のフォト

2015年7月1日のニュース