来秋ドラフトの超目玉!田中“投手歴3年”でプロから圧巻7連続K

[ 2015年6月30日 05:30 ]

<大学日本代表・NPB選抜>7者連続三振を奪う快投を見せた創価大の田中。圧巻の4回完全投球

 ユニバーシアード夏季大会(7月3日開幕、韓国・光州)に出場する侍ジャパン大学日本代表は29日、NPB選抜との壮行試合を行い、創価大・田中正義投手(3年)が7者連続を含む8奪三振の快投を見せた。最速153キロの剛球を武器に4回パーフェクト。プロの打者をなで斬りにする圧巻の投球で、楽天・立花陽三球団社長(44)が来秋ドラフト1位指名を宣言するなど、評価を一気に高めた。試合はNPB選抜が3―2で勝利した。

 手がつけられない。4回完全、8奪三振の圧巻の投球。150キロ台の速球でプロの打者をなで斬りにした。どよめきに包まれた神宮。スタンドの視線を一身に集めた田中は「こんなたくさんの観衆の前で投げるのは初めて。緊張した」と話しながらも「いい結果で終われてよかった」とうれしそうに笑った。

 1メートル86の長身と長い手足。しなやかな腕の振りでプロの打者を完璧に封じた。3回に2番手で登板した直後は緊張で制球は乱れたが、4番・山川穂をオール直球で左飛に仕留めた。「先頭をアウトにできて乗れた」と次打者・武田の初球で自己最速155キロにあと2キロと迫るこの日最速の153キロをマークし、ここから5回2死まで7連続奪三振。「追い込んでから甘くならないように、それだけを考えた」。直球だけでなく変化球の制球も抜群で、フォーク、スライダー、カーブと投じた変化球全てを決め球にして三振を奪った。

 これで本格的な投手歴は3年というのだから驚きだ。創価高では1年夏からエースも、右肩痛に襲われ主に外野手。甲子園出場の夢は果たせなかった。大学で志願して投手に再転向。昨春の全日本大学選手権の1回戦・佛教大戦で150キロ台を連発して4安打完封し一躍脚光を浴びた。昨夏ハーレム国際大会(オランダ)では有原(当時早大、現日本ハム)を押しのけて代表入りした逸材だ。

 始球式を行い、試合も視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督は「こんな選手がおったんかという感じで驚きました。あれだけ体を使っても、コーナーに決まっていた」と目を丸くした。11月に行われる国際大会「プレミア12」のトップチーム入りは難しいとしながらも「プロで1年目から2桁勝てるように上を目指して。今でもプロで通用すると思うなら、さらにもう一つ上の目標設定をして、いずれはトップチームで」と話した。17年3月のWBCはプロ1年目で迎える。いきなり大舞台での代表選出の可能性もある。それだけのスケールの大きさを指揮官の脳裏に焼き付けた。

 善波達也監督は「柱となって活躍してもらいたい」とあらためてエースに指名した。「日本が金メダルを獲ったことがないので優勝に貢献できるように頑張りたい」と田中。その言葉は衝撃を与えたピッチング同様に力強かった。(松井 いつき)

 ◆田中 正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、神奈川県生まれの20歳。小1から野球を始める。川崎中央シニアを経て、創価高に入学。1年夏に背番号1をつけたが、故障で同秋から外野手転向。3年夏の西東京大会は4強で甲子園経験なし。創価大では昨春リーグ戦で公式戦初登板。全日本大学選手権、明治神宮大会はともに4強。今春はリーグ戦は6試合6勝0敗、防御率0・40。1メートル86、89キロ。右投げ右打ち。

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