西武・秋山 2カ月連続40安打!イチロー以来21年ぶり史上2人目

[ 2015年6月28日 08:08 ]

<西・日>5回、右前打を放つ秋山

パ・リーグ 西武9-3日本ハム

(6月27日 西武D)
 一流への階段を一段ずつ上っている。西武・秋山はイチローの大記録に並んでも興奮はない。

 「節目の数字はうれしい。でも今は夢中でやっているだけ。目の前のことで精いっぱいです」

 2―0の4回、先頭の打席。追い込まれてから4球続けてファウルで粘ると、緩いカーブに合わせた。中前に運ぶ今月39安打目。先月は40安打を放ち、94年の5、6月にオリックス・イチロー以来の2カ月連続月間40安打に王手をかけた。そして5回1死二塁で迎えた次の打席で、初球の151キロ直球を右前に運び、プロ野球史上2人目の快挙を成し遂げた。前日には、サイクル安打まであと単打1本だったが、2打席凡退。「きょうはきょうの試合がある」と気持ちは切り替えていた。

 イチローがプロ野球史上初の200安打を達成した94年は6歳だった。亡くなった父親の手ほどきで、野球を始めた頃。社会全体を巻き込むフィーバーを秋山少年は肌で感じた。「僕が比べられることが信じられない。不思議な感覚」。27歳にとって41歳のレジェンドは、雲の上の存在。「イチローさんがやったこと(2カ月連続40安打)は凄いと思うけど、自分がやっても…。実感が湧かないんです」と素直な感想を漏らした。

 生真面目な性格。凡退すると相手投手をイメージしながら、ベンチ裏でバットを振り込む。試合中に修正点を見つけ、この日も第3、第4打席で安打を放った。ファンへの感謝の気持ちも強い。「ファンがイチローさんと僕を比べてくれるのはうれしい」。オフ期間の1月は西武第2球場で自主トレを行い、帰り道に笑顔でサインに応える。長打の列に1人で30分以上書き続け、電車に乗り遅れたことまである。

 19試合連続安打の1番打者がけん引し、チームは3年ぶりに貯金を10に乗せた。田辺監督が「神の域に達したのかな」と冗談を言うほど頼もしい。72試合目。今季の折り返しで120本は史上最多の年間238安打ペースだが「振り返るのはシーズンが終わってから。まだ半分」。口調は柔らかいが、並々ならぬ決意を感じた。 (神田 佑)

 ≪2試合早い≫秋山(西)が2安打で、5月に続き6月も40安打に到達。2リーグ制後、シーズン2度の月間40安打以上は

年 打者名(所属)達成月
63榎 本(大毎)7、9
94イチロー(オ)5、6
14山 田 (ヤ)5、8
15秋 山 (西)5、6
 秋山が4人目。2カ月連続は94年イチローに次いで2人目となった。チーム63試合目で101安打に到達してから、9試合で19安打を上乗せ。72試合で120安打は、同年イチローの74試合よりも2試合早い。

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