黒田7勝目スルリ…降雨中断動じず粘投も、救援大瀬良つかまった

[ 2015年6月24日 05:30 ]

<広・神>2回、雨の中ベンチに戻る黒田(右)

セ・リーグ 広島6―6阪神

(6月23日 長野)
 広島・黒田博樹投手(40)の7勝目がスルリと逃げた。23日の阪神戦(長野)で7回を6安打3失点の粘投。降板後に相手バッテリーミスで勝ち越し点が入り、ハーラートップに並ぶ7勝目の権利を得たものの、8回に救援した大瀬良がゴメスに3ランを被弾した。降雨による34分間の中断があった試合は延長12回の激闘の末に引き分けた。

 一度はほほえみかけた勝利の女神が、一瞬でそっぽを向いた。同点の7回で降板した黒田は、直後の勝ち越し点で幸運な勝利投手権利を手にした。だが喜びはつかの間。直後に2番手・大瀬良が逆転3ランを被弾した。大野(中日)に並ぶリーグトップタイ7勝目は、簡単に手からこぼれ落ちた。

 「5回の得点の取られ方がもったいなかった」

 ベテランが猛省した。先頭・今成の四球を皮切りに2安打1四球で2失点。味方が3点を奪って逆転してくれた直後だっただけに、自分自身への悔しさを隠さなかった。「チームも打線も状態が上がっている」と警戒していたように、今季2戦2勝とカモにしていた阪神戦から白星を挙げらなかった。

 ただ決して自滅したわけではない。逆風にさらされた。中10日で古巣復帰後初の地方球場登板。さらに夜空に幾度となく稲妻が走り、雷鳴もとどろいた。雨脚が強まった2回の攻撃前には34分間の中断を余儀なくされた。

 「普段使っていない球場なので、多少気になることはあると思う。実際には投げてみてですが、米国でもほとんどの球場で対応、適応できたと思うので大丈夫でしょう」

 日本では33球場目、日米通算64球場目となる長野の登板。現役19年目、日米通算188勝の名手は“初物”への自信を見せていたが、想像を超える過酷な環境に苦しめられた。要所で、珍しく指先の感覚を狂わせた格好だ。

 「それ(5回)以降は切り替えて粘り強く投げていこうと思った」

 6回を3人で抑え、そしてラストイニングとなった7回は圧巻の3者連続三振。9奪三振で、せめてもの意地を見せた。雨模様で不快指数が募ったマウンド。それでも最後の最後でスカッと締められたことは、必ず次回登板につながるはずだ。

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