シャーザー ノーヒッター!9回2死まで完全あと1球で“肘出し”死球

[ 2015年6月22日 05:30 ]

<ナショナルズ・パイレーツ>チョコレートシロップまみれのシャーザー(AP)

ナ・リーグ ナショナルズ6―0パイレーツ

(6月20日 ワシントン)
 惜しい!ナショナルズのマックス・シャーザー投手(30)が20日(日本時間21日)、本拠地ワシントンで行われたパイレーツ戦で9回2死まで一人の走者も出さない完璧な投球。しかし、27人目の打者に死球を与えて完全試合を逃した。それでも次打者を打ち取り、自身初の無安打無得点試合を達成。9日にヤンキースの田中将大投手(26)との投げ合いに敗れたが、以降は2試合連続完封で8勝目を挙げ、年俸総額約258億円の価値を証明した。

 4万1104人の大観衆が総立ちで携帯電話のカメラを構える中、シャーザーは捕手のサインに1度首を振り、決め球に得意球のスライダーを選んだ。9回2死無走者で、代打タバタへのカウントは2ボール2ストライク。1900年以降の近代野球では史上22度目の完全試合まであと1球だった。しかし、103球目は内角に抜け、タバタの左肘に当たった。

 よけずに故意に当たったようにも見えたが、判定は死球。背番号31は、マウンドを降りて天を仰いだ。それでもすぐに「最後の打者をアウトに取ればいい」と気持ちを落ち着かせた。28人目の打者、1番ハリソンを左飛。両手を突き上げると、駆け寄ったチームメートにもみくちゃにされた。

 「完全試合まで1ストライクだったけど、地元ファンの前でノーヒッターができて幸せだよ」

 27人目の打者に死球を与えての「準完全試合」は、1908年のフークス・ウィルツ(ジャイアンツ)以来、107年ぶり史上2人目。ベンチ前では、定番のスポーツドリンクではなく、チームで今季はやっているチョコレートシロップを頭からかけられる手荒い祝福を受け、喜びに浸った。

 タイガース時代の13年にサイ・ヤング賞に輝いた右腕は昨オフ、投手史上2番目となる総額7年2億1000万ドル(約258億3000万円)でナショナルズ入り。今季は9日にヤンキースの田中と投げ合い5敗目を喫したが、それ以降はすさまじい。前回14日のブルワーズ戦は16三振を奪っての1安打完封(1四球)。この2試合で許した走者はわずか3人だけで、打者57人から26三振を奪い「私の野球人生でベストの2試合。全ての球が思い通りで、この調子を続けたい」。防御率1・76は両リーグトップに立った。

 この日最速98マイル(約158キロ)をマークした速球とスライダーを武器とし、106球中、ストライクが82球と制球力も兼ね備えている。「彼は信じられない投手。それ(大金に見合う)だけの価値があるよ」。23号アーチを放った若き主砲ハーパーの言葉がシャーザーの凄さを表現していた。

 ◆マックス・シャーザー 1984年7月27日、ミズーリ州セントルイス生まれの30歳。ミズーリ大から、06年ドラフト1巡目(全体11位)でダイヤモンドバックスと契約。08年にメジャーデビューし、09年オフにトレードでタイガースに移籍。13年にダルビッシュ(2位)、岩隈(3位)を抑え、サイ・ヤング賞受賞。昨季まで2年連続ア・リーグ最多勝。1メートル91、98キロ。右投げ右打ち。

 ≪日本では巨人・杉内≫9回2死から完全試合を逃した投手は、13年9月6日のペティット(ジャイアンツ)以来、13人目。その後、ノーヒットノーランを達成したのは、1908年のフークス・ウィルツ(ジャイアンツ)と72年のミルト・パッパス(カブス)に次ぎ3人目。日本プロ野球では、巨人の杉内が12年5月30日の楽天戦で9回2死から四球を与え完全試合を逃したが、次打者を打ち取りノーヒットノーランを達成した唯一の投手となっている。また、今季の無安打無得点試合は、ジャイアンツの新人右腕ヘストンが6月9日のメッツ戦で達成して以来、2人目。ナ軍(前身のセネターズも含む)の投手としては、史上4人目。

 【最近の9回2死から完全試合を逃したケース】

 ☆ガララーガ(タイガース) 10年6月2日タイガース戦で27人目の打者ドナルドを一ゴロに打ち取ったかと思われたが、ベースカバーに入ったガララーガにジョイス一塁塁審はセーフの判定を告げ内野安打となった。リプレーで見ると明らかにアウトで、塁審は後に誤審であったと認めて謝罪した。

 ☆ダルビッシュ(レンジャーズ) 13年4月2日アストロズ戦で9回2死からゴンザレスに中前打され、日本投手初の快挙を逃した。球数は111球に達した上にマメをつぶしており、この打者限りで降板した。「いい思い出になった。僕よりもチームメートが悲しそうというか」と話したが、直後にツイッターで「あと一人て。。なんでやねん!!」とつぶやいた。

続きを表示

この記事のフォト

「第91回(2019年)選抜高等学校野球大会」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2015年6月22日のニュース