阪神グリーンウェルの真実 本人から猛抗議「撃たれても仕方ない」

[ 2015年6月16日 11:20 ]

自打球を右足に当てギブスが痛々しいグリーンウェルは「神のお告げ」で退団へ

助っ人になれなかった男たち

 1960年のマイク・ソロムコから今年途中入団したマリオ・サンティアゴまで、阪神に在籍した外国人選手は104人いる(育成契約含む)。暗黒時代を知る阪神ファンには、必ずハズレ助っ人の記憶が存在する。今回は高額年俸で契約しながら、ほとんど活躍しなかった『助っ人になれなかった男たち』を特集。帰国中のグリーンウェルを取材していたスポニチ記者が当時の騒動を振り返る。

 フロリダ州アルバの自宅に着いた時は、さすが一流の大リーガーだと思った。個人所有とは思えない、甲子園球場20個分の敷地は公園、もしくはテーマパークかと思わせるほど広い。門から家屋は見えず、10分以上も歩く。サーキット場やグレープフルーツ園、馬も牛も飼い、ワニが生息する川も流れているという。

 なぜ、グリーンウェル邸をアポ無し訪問したかといえば、メジャー球団のキャンプ取材でアメリカ出張中だった自分に、日本から「様子を探ってこい」と指示があったからだ。阪神の春季安芸キャンプ中に私的な事情で一時帰国した同選手が、予定の期日がきても再来日しないため、日本で大騒動になっていた。理由は腰痛だと説明された。

 ピンポンを鳴らしたが応答がない。外出するのを待ち、いくつもある門から運良く本人を発見できたのは3日目の早朝。子どもを学校に送るのをレンタカーで追いかけた。そのまま教会に向かった時に、日本のマスコミだと身分を明かした。

 英語に自信がないのでノートとペンを渡した。スラスラと書き始めた英文は「医者は最低でも8~12週間はプレーするまで必要だと言っている」という衝撃的なものだった。当然1面になった。

 でも、デスクに真っ先に報告したのが本当にけが人ですか? 元気そうでしたけど…というもの。自身がオーナーを務める遊園地『マイク・グリーンウェルズ・ファン・パーク』で働く当時20代の妹は「兄が帰って来ているのにはびっくりした。元気そうだったわ。この間も近くの高校で野球を教えているのを見たもの」と証言していた。

 レッドソックスのキャンプ地・フォートマイヤーズでは地元での悪評がいくつも入ってきた。チーム内での衝突、マスコミやファンへの悪態。この頃はもう、何か悪い証拠をつかんでやるの意気込みだったように思う。

 カメラマンとしばらく自宅を張り付いたが、今度は逆に日本から「すぐにそこを離れろ」との指示がきた。グリーンウェルが怒り、「他人の家のまわりをウロチョロするのはアメリカでは銃で撃たれても仕方のないこと」と言ってきたらしい。確かにカメラマンが望遠レンズで構えていたら、銃を構えていると勘違いした地元ポリスがやってきて慌てて逃げ帰った思い出が懐かしい。

 その後、自分が帰国してから「グリーンウェルは観光気分で日本にいった」などの論調の報道をみて妙に納得。ただ、阪神球団が用意した神戸の高級マンションの部屋に「狭い」とケチをつけ、壁をぶち抜いて2部屋分をつなげさせたらしいが、あんなデカイ家に住んでいたらそう感じても仕方がないかなと、そこだけは擁護したいと思う。

 今、振り返れば一度もプレーするところを見ていない。直接に会って話をしたのも教会での一度だけ。それでもいまだに、自分にとってインパクト一番の阪神助っ人だ。

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