【金本知憲氏 アニキのなんでも相談室】後輩の答えが間違っていると思いつつ…

[ 2015年6月16日 15:10 ]

 【相談】私は会社員として働いています。年齢的にも、役職的にも世間でいう中間管理職の立場です。先日、日々の慰労と激励の意味を込めて、入社2年目の後輩を家に招待しました。会話の中で「これからも頑張ってくれよ」と励ましたところ、後輩からは「これ以上、まだ頑張るんですか?」と真顔で返されました。その言葉に驚かされました。ジェネレーションギャップというか、20歳年下の後輩との接し方は、あらためて難しいと感じた次第です。金本さんなら、どのように振る舞われますでしょうか。(西宮市 40代 会社員)

 【意見】まずは、この質問に対する後輩の答えが間違っていますよね。「これからも頑張ってくれ」という言葉に対しての返答が「これ以上、頑張るのですか?」と言っていますよね。決して「もっと頑張れ」とは言っていませんからね。

 また言葉としても「これからも、今の頑張りを続けてくれ」と言えば後輩の返答も変わっていたかもわからないです。あらためて「今の頑張りを、これからも続けてくれという意味だよ」と言ってみては、どうでしょうか。それと同時に「評価というものは自分で決めるものではないよ」と教えてあげる必要もあると思います。

 あくまでも評価というのは、周りの人が決めることですからね。その後輩は「頑張っている」と思っているようですが、「頑張っていると思っているのは自分だけかもしれないよ」と優しく言ってあげてほしいです。決して感情的にならず、優しく言ってあげてください。年上は、そういう冷静さも必要だと思います。

 ジェネレーションギャップというのは、いつの時代もあったことだと感じます。僕たちも若い頃は年上の人に「今の若い者は!」と言われてきたでしょう。そういった事は、いつの時代もありました。だからこそ、後輩の態度に対しても、「まあ、仕方ない」と思うぐらいの気持ちを持っても良いのではないでしょうか。

 当然、世代が違うのだから感覚も違うこともあります。自分たちも「違う」とも言われてきたと思います。ただ言葉は大事です。僕も言葉が足りずに失敗することもあります。真意が伝わらなかったこともあります。ですから、相談者の方にはぜひとも「よく頑張ってくれているから、これからも続けてくれ」と、もう一度だけ機会を見つけて言ってみてください。

(金本知憲氏=本紙評論家)

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