ハム移籍即絶叫お立ち台!猛打賞の矢野「ファイターズ最高!」

[ 2015年6月13日 05:30 ]

<日・D>お立ち台でマイクを奪い、「ファイターズ最高です」と絶叫する矢野

交流戦 日本ハム8-7DeNA

(6月12日 札幌D)
 ファイターズ最高!巨人からトレードで移籍した日本ハムの矢野謙次外野手(34)が12日、DeNA戦に「6番・DH」で先発し、二塁打3本の猛打賞。7―7の延長11回、先頭で左越えへ二塁打を放って起点をつくり、サヨナラ勝ちを演出。古巣では出場機会に恵まれなかったが、移籍後初試合で勝負強い打撃を披露。打線も先発全員となる今季最多タイの19安打を放った。交流戦の勝ち越しも決まり首位のソフトバンクに0ゲーム差に迫った。

 移籍後初試合でいきなり登った札幌ドームのお立ち台。矢野は絶叫した。

 「ファイターズ、最高!」。北海道のファンから大歓声を浴びた。

 「ファイターズなんで“ファイター”のようにやっていきたい」。野球をやれる喜びをマイクに込めた。鳴りやまない「謙次コール」。たまらなくうれしかった。

 「1試合目から凄い試合で疲れました。最後勝ってよかった」。7―7の延長11回。先頭で左越えにこの日3本目の二塁打を放った。ここから2死二、三塁とし、西川の打席で国吉の投球がワンバウンドして、バックネットへ。三塁走者の代走・谷口がサヨナラのホームを踏んで、4時間45分の激闘を制した。

 巨人からトレード移籍したばかりの背番号37はこの日出場選手登録され、即「6番・DH」で先発出場した。2点を追う4回に先頭で左翼線二塁打を放ち、レアードの一時同点の2ランにつなげ、7回には中堅フェンス直撃の二塁打で追加点を演出した。3点差を追いつかれ、延長戦にもつれたが、最後もこの男が持ち前の勝負強さを見せた。水の入ったペットボトルを持って歓喜のウオーターシャワー。「誰にかけていいか分からなかった」と照れ笑いした。そんな初々しい34歳の姿が何ともほほ笑ましかった。

 前日に札幌入りし、入団会見。栗山監督から「期待している。巨人で出し尽くせなかったものを出してほしい」と声を掛けられた。「プロに入ってあんな言葉を掛けてもらったのは初めて」。驚きと感激で胸がいっぱいになった。夜には知人と札幌市内でジンギスカンを食べ、パワーを蓄えた。「人生で初めて緊張して眠れなかった」。期待に応えたい。その実直な思いゆえに数時間おきに寝ては起きてを繰り返した。胸の高鳴りが収まらない。気合は十分過ぎるほどに入っていた。

 これからお世話になる札幌ドームのグラウンドキーパーのスタッフにまで手土産を持参するほど情に厚い男。栗山監督は殊勲の活躍に「久しぶりに感動した。大切なことを若い選手たちに教えてくれた」と称えた。「これを自信にして、あしたに臨みたい」と矢野。北の大地で新たな野球人生を踏み出した34歳は最高のスタートを切った。

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